江黒早耶香弁護士は、シティユーワ法律事務所に所属する企業法務の専門家です。

東京大学法学部と東京大学法科大学院を経て弁護士となり、内閣官房での勤務経験も持っています。

普段からテレビに出演する著名人ではありません。

それでも名前が急速に検索されるようになったのは、フジテレビのドラマ撮影現場をめぐるハラスメント騒動で、佐藤二朗さんへの事情聴取に関わった弁護士として報じられたためです。

華やかな経歴を持つ一方、今回注目されたのは学歴や実績ではなく、コンプライアンスを担当する立場で「どのような言葉を伝えたのか」という部分でした。



江黒早耶香弁護士はどんな人物?

江黒早耶香弁護士は、シティユーワ法律事務所でカウンセルを務める弁護士です。

2020年1月にカウンセルへ就任しています。

カウンセルとは、法律事務所によって位置づけに違いはあるものの、豊富な経験や専門性を持つ弁護士に付けられる役職の一つです。

所属事務所の公式プロフィールでは、行政庁対応、ハラスメント・危機管理対応、内部通報、知的財産権、コンプライアンス案件などを主な取扱分野としています。

 

つまり、裁判だけを担当する弁護士というより、企業や組織の内部で問題が起きた際に、調査や対応方法を法的な面から支える人物です。

企業に不祥事やハラスメントの申告があった場合、何が起きたのかを確認し、組織としてどのように動くべきかを助言する。

まさに今回の騒動と重なる分野ですよね。

 

また、扶桑化学工業の社外取締役をはじめ、日本女性法律家協会の副会長、経済産業省や文部科学省、総務省に関係する委員など、法律事務所以外でも幅広い活動歴があります。

公開されている経歴を見る限り、企業法務だけでなく、行政、知的財産、組織運営にも関わってきた実務家といえるでしょう。

一方、年齢や出身地など、公式に明らかにされていない個人情報もあります。

顔写真が公式プロフィールに掲載されていないことからSNSで憶測も出ましたが、掲載していない理由は公表されていません。

写真がないこと自体を、何らかの疑惑へ結びつける材料にはできないということです。



東京大学から弁護士になるまでの経歴

江黒早耶香弁護士は、東京大学法学部を卒業した後、東京大学法科大学院を修了しています。

2008年に司法修習を終えた新61期で、同年12月に弁護士登録しました。

司法修習修了後は、弁護士法人曾我・瓜生・糸賀法律事務所に入所。

2008年から2012年まで在籍しています。

さらに2009年から2011年にかけては、内閣官房国家戦略室へ非常勤で出向しました。

弁護士として活動しながら、国の政策に関わる組織でも経験を積んでいたことになります。

法律だけでなく、行政や政策が実際にどのように動くのかを知る機会にもなったはずです。

 

2012年5月には、現在所属するシティユーワ法律事務所へ移籍しました。

その後は企業法務、行政規制、知的財産、危機管理などへ活動の幅を広げています。

単に東大を卒業したエリート弁護士というだけではありません。

民間の法律事務所、内閣官房、企業の社外役員、公的機関の委員と、異なる立場を経験してきた点に特徴があります。

今回の騒動で経歴が注目されたのも、「これほど経験のある弁護士が、なぜ批判される対応をしたと受け止められたのか」という疑問が生まれたからなのでしょう。



シティユーワ法律事務所での専門分野

江黒早耶香弁護士の取扱分野は、かなり広範囲です。

事務所の公式プロフィールでは、ハラスメント・危機管理対応、内部通報、コンプライアンス案件のほか、行政庁対応、貿易管理、知的財産権、クロスボーダー案件などが挙げられています。

なかでも今回の話題と深く関係するのが、ハラスメント対応と内部通報です。

 

企業内でハラスメントの訴えがあった場合、申告した人への聞き取りだけでなく、申告された側や周囲の関係者からも事情を確認します。

そこで求められるのは、被害を訴えた人への配慮と、事実を公平に調べる姿勢の両方です。

どちらか一方だけを重視すると、調査そのものへの信頼が揺らぎかねません。

江黒弁護士は、知的財産分野でも実績があります。

中外製薬を代理した特許権侵害訴訟では、知財高裁大合議が製薬分野で初めて均等侵害を認めた事例として、所属事務所が紹介しています。

著書にも『知財・無形資産ガバナンス入門』や、企業の規制対応、弁護士活用に関するものがあります。

 

専門分野を見ると、江黒弁護士の仕事は問題が起きてから裁判で争うだけではありません。

問題が大きくなる前に組織のルールを整え、発生後は調査や危機管理を支える。

いわば、企業の表には出にくい部分を守る仕事です。

それだけに、今回のように対応そのものが問題視されると、専門家としての立場まで厳しく見られることになります。



フジテレビとはどんな関係なのか

江黒早耶香弁護士とフジテレビの関係については、同局のコンプライアンス対応に関わる外部弁護士の一人として報じられています。

フジテレビの社員として常に局内で働いている人物ではなく、法律事務所に所属しながら、必要に応じて相談や調査へ関わる立場とみられます。

 

今回の報道では、佐藤二朗さんが2026年4月14日にフジテレビのコンプライアンスを担当する弁護士から事情を聞かれ、その担当者として江黒弁護士の名前が伝えられました。

ただし、フジテレビと江黒弁護士の契約内容や、普段どの範囲まで業務を担当していたのかは詳しく公表されていません。

「フジテレビのコンプライアンス業務に関わっていたこと」と、「局のすべての判断を江黒弁護士が決めていたこと」は別の話です。

 

企業の外部弁護士は、相談を受けて助言する場合もあれば、調査やヒアリングを担当する場合もあります。

最終的な判断は会社側が行うことも少なくありません。

そのため、今回の対応についても、江黒弁護士個人の判断だったのか、フジテレビ側の方針に沿ったものだったのかは、公開情報だけでは判断できない部分があります。

ここを一人の弁護士だけの問題として片づけると、組織としてどのような調査方針を採っていたのかが見えなくなってしまいます。



今回の騒動で注目された理由

江黒早耶香弁護士の名前が広く知られるきっかけとなったのは、佐藤二朗さんが週刊新潮の取材で語った事情聴取の内容です。

佐藤さんは、橋本愛さんに万一のことがあれば「佐藤さんのタレント生命にも傷がつきますよ」と告げられ、「脅しのように聞こえた」と証言したと報じられています。

俳優に対して「タレント生命」という言葉を使えば、今後の仕事や信用への影響を連想させます。

そのため、事実確認のための説明ではなく、圧力をかける言葉のように受け止められたのでしょう。

 

ただし、明らかになっているのは主に佐藤さん側の証言です。

江黒弁護士は取材に対し、弁護士法上の守秘義務との関係から応じることが難しいと回答したと報じられており、事情聴取の全容や発言の前後は公表されていません。

佐藤さんが「脅しのように聞こえた」と感じたことと、江黒弁護士が脅す意図を持っていたことは同じではありません。

一方で、コンプライアンスを担当する専門家の言葉には、普通の会話以上の重みがあります。

 

相手を守るための注意だったとしても、伝え方によっては、聞かされた側が「すでに結論は決まっている」と感じることもあるでしょう。

今回、人々が引っかかったのは、江黒弁護士の学歴や華やかな経歴ではありません。

人を守るはずのコンプライアンス対応が、別の人を追い詰める形になっていなかったか。

この疑問が生まれたことで、表に出る機会の少なかった企業法務の弁護士へ、一気に視線が集まったのです。



まとめ

江黒早耶香弁護士は、東京大学法学部と法科大学院を経て弁護士となり、内閣官房での勤務や企業法務、ハラスメント対応など幅広い経験を重ねてきた人物です。

フジテレビとは外部弁護士の一人としてコンプライアンス対応に関わったと報じられていますが、契約内容や担当範囲の詳細までは公表されていません。

今回注目が集まったのは、佐藤二朗さんへの事情聴取で伝えたとされる言葉でした。

華やかな学歴や経歴だけでは見えてこないのが、組織の問題に向き合う専門家の難しさです。

人を守るための対応が、別の立場からは圧力に見える。

そのすれ違いこそが、江黒弁護士の名前をここまで広く知らしめた背景にあるのでしょう。

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to-chan
元介護施設職員、現ブロガー、雨を愛する人 自動車好き、読書、光輝くもの好き 座右の銘:朱に交われば赤くなる 好きな四字熟語:一期一会