田中碧への批判が広がった理由は、ブラジル戦の終盤にあったボールロストが、決勝点につながったと見られたためです。

日本は先制しながらも、後半アディショナルタイムに失点し、1-2でブラジルに敗れました。

ただ、ここで問題になっているのはミスそのものだけではありません。

一つのプレーを「敗因」と決めつけ、本人のSNSに心ない言葉が向かったこと。

そこに、多くの人が引っかかっています。



 

田中碧が批判された理由は何か

田中碧が批判された大きな理由は、試合終盤のボールロストがブラジルの決勝ゴールにつながったと受け止められたことです。

ワールドカップの決勝トーナメント。

しかも相手はブラジル。

あと少しで延長戦、あるいは歴史的な勝利の可能性も見えていた時間帯でした。

その場面で失点につながるプレーが起きたため、怒りや悔しさの矛先が田中碧に集中してしまった形です。

 

ただ、サッカーは一つのプレーだけで勝敗が決まる競技ではありません。

その前の守備、試合全体の流れ、交代策、体力の消耗、相手の圧力。

すべてが重なって最後の失点になります。

それでも人は、悔しすぎる負け方をしたとき、分かりやすい原因を探したくなるものです。

今回の批判は、「誰か一人のせいにしないと気持ちの置き場がない」負け方だったことも大きかったのだと思います。



 

ブラジル戦で起きた痛恨のミス

日本は前半29分、佐野海舟のゴールで先制しました。

しかし後半に追いつかれ、90+5分にブラジルへ決勝点を許しています。

問題視されたのは、その失点前の場面です。

田中碧が自陣付近でボールを奪ったものの、相手に粘られ、そこからブラジルの攻撃につながりました。

映像で見れば、たしかに「あそこで失わなければ」と言いたくなる場面ではあります。

 

本人もその重さを分かっていたのでしょう。

試合後、田中碧は涙を流し、取材にも応じられないほどの状態だったと報じられています。

責められる前から、本人が一番分かっている。

見ていて苦しくなるのは、そこなんですよね。

ミスを指摘することと、選手の人格まで傷つけることはまったく別です。



 

戦犯扱いに反発する声も拡大

田中碧を「戦犯」とするような声が出る一方で、それに反発する声も広がりました。

キャプテンの板倉滉は試合後、「誰のミスとかじゃない」という趣旨で田中碧を擁護しています。

この言葉は、かなり大きいです。

同じピッチに立っていた選手からすれば、最後の一つのプレーだけで敗戦を説明できないことは分かっているはずです。

前半に先制したあと、どう守るのか。

後半に追いつかれたあと、どう耐えるのか。

終盤の疲労の中で、どこまで判断を保てるのか。

 

そうした積み重ねの先に、最後の失点がありました。

外から見ると一つのミスに見えても、中にいる選手たちはチーム全体の敗戦として受け止めている。

ここが、批判側と擁護側で大きくズレた部分ではないでしょうか。



 

誹謗中傷まで広がった背景

今回の騒動でより問題視されたのは、批判が誹謗中傷にまで広がったことです。

田中碧のInstagramには、敗戦後に心ない言葉が寄せられ、それに対して怒りの声も上がっています。

スポーツに批判はあります。

大事な場面でのプレーなら、厳しい意見が出ることも避けられません。

でも、「あの判断はどうだったのか」と言うことと、「お前のせいだ」とぶつけることは違います。

前者はプレーへの批評。

後者は感情の投げつけです。

 

しかも今回は、田中碧自身が過去にも代表選手への誹謗中傷に対して「腹が立つ」と語っていた文脈があります。

その選手が今度は、同じように矢面に立たされた。

この流れは、少し皮肉というには重すぎます。

応援が熱いほど、負けたときの反動も大きくなる。

ただ、その熱が選手を壊す方向へ向かったら、もはや応援ではありません。



 

一つのミスで責める危うさ

田中碧への批判がここまで広がったのは、ミスの大きさだけが理由ではないと思います。

日本代表がブラジルにあと一歩まで迫ったからこそ、悔しさの逃げ場がなくなった。

「勝てたかもしれない」という思いが強いほど、「なぜ負けたのか」を一人に背負わせたくなるんですよね。

でも、本当に見るべきなのは、田中碧だけではありません。

日本がブラジルを追い詰めたこと。

終盤に耐えきれなかったこと。

 

そして、敗戦直後に選手個人へ言葉が集中してしまう空気です。

一つのミスを振り返ることは必要です。

ただ、一人を責めることで試合全体を分かった気になることの方が、ずっと危ういのではないでしょうか。

田中碧が泣き崩れた姿に、多くの人が胸を痛めたのは、単にかわいそうだったからではありません。

勝ちたかった気持ちも、悔しさも、責任を感じる重さも、あの涙に全部出ていたからです。

責めるより先に、そこまで背負って戦っていた選手だったことは忘れたくありません。



 

まとめ

田中碧への批判は、ブラジル戦終盤のボールロストをきっかけに広がりました。

ただ、この話題が重く見えるのは、一つのミスだけでは説明できないからです。

勝利が見えかけた試合だったからこそ、悔しさの行き場がなくなり、分かりやすい責任の置き場所として田中碧に視線が集まりました。

一方で、選手本人が涙を流すほど背負っていた現実を見れば、批判と誹謗中傷の線引きはやはり必要です。

この敗戦で問われているのは、ミスを責めることではなく、悔しさを誰か一人に押しつけてしまう空気なのかもしれません。

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to-chan
元介護施設職員、現ブロガー、雨を愛する人 自動車好き、読書、光輝くもの好き 座右の銘:朱に交われば赤くなる 好きな四字熟語:一期一会