HYROXとはどんな競技?北京大会の女子選手のアクシデントで話題に!
2026年9月、中国・北京で行われたスポーツ大会で、思わぬ出来事がネットをざわつかせました。
大会に出場していたオーストラリアの女子選手、ジョアンナ・ヴィエトジクがレース中に体調トラブルに見舞われたものの、そのまま競技を続けて優勝。
SNSに映像や写真が広がったことで、
「そもそもHYROXって何?」
「マラソンみたいな競技?」
「なんでこんなに過酷なの?」
と、競技そのものが気になった人もいるのではないでしょうか。
じつはHYROXは、ただ走るだけのレースではありません。
8kmのランニングに、筋力や持久力を使う8種類の運動を組み合わせたフィットネスレースです。
しかも近年、世界的に参加者が急増しています。
今回は、北京大会で話題になった出来事を入り口に、HYROXとはどんな競技なのか、実際に何をするのか、その人気の理由まで分かりやすく見ていきます。
ジョアンナ・ヴィエトジクとは何者?HYROX北京でアクシデントでも実力を発揮!
HYROXとはどんな競技?
HYROX(ハイロックス)は、ランニングと「ファンクショナルワークアウト」と呼ばれる運動を組み合わせたフィットネスレースです。
HYROX公式によると、基本的な流れはとてもシンプル。
1km走る
↓
1つのワークアウトを行う
これを8回くり返します。
つまり1レースで、
ランニング8km+8種類のワークアウト
をこなすことになります。
マラソンほど長い距離を走るわけではありません。
しかし、問題は「走る間に何をするか」です。
重いソリを押したり引いたり、ボートをこぐような運動をしたり、重りを持って歩いたりします。
そして、それが終わったらまた1km走ります。
想像しただけでも、かなりキツそうですよね。
単純な走力だけでなく、筋力、持久力、心肺能力まで求められる競技になっています。
HYROXではどんな種目をする?
HYROXでは、8回のランニングの間に8種類のワークアウトを順番にこなします。
HYROX公式が示している基本的な種目は次のとおりです。
1つ目が1,000m SkiErg。
スキーのストックを使うような動きをしながら、腕や肩、体幹などを使います。
2つ目がSled Push(ソリ押し)。
重りを載せたソリを押して進みます。
3つ目がSled Pull(ソリ引き)。
今度はロープを使って重いソリを自分の方へ引き寄せます。
4つ目がBurpee Broad Jump。
バーピーをしたあと前方へジャンプする動作をくり返します。
5つ目が1,000m Rowing。
ローイングマシンを使った、いわゆるボートこぎです。
6つ目がFarmers Carry。
重いケトルベルを両手に持ったまま歩きます。
7つ目がSandbag Lunges。
重いサンドバッグを担ぎながらランジを行います。
そして最後がWall Balls。
重いボールを持ってスクワットしながら、決められた高さまで投げる動きをくり返します。
これを全部やったうえで、ランニングは合計8km。
「走るのが得意なら何とかなる」という競技ではないことが分かります。
マラソンとも筋トレ大会とも違う
HYROXのおもしろいところは、
マラソンだけでもない、筋トレだけでもない
という点です。
たとえばソリ押しで脚をかなり使った直後でも、次の1kmを走らなければなりません。
逆に走って心拍数が上がった状態から、重い道具を扱う種目に入ります。
つまり、
「走れるけど筋力が足りない」
「筋力はあるけど長く走れない」
というだけでは、良いタイムを出すのが難しい競技です。
ランニングと筋力トレーニングの両方を組み合わせることから、「ハイブリッドフィットネス」と呼ばれることもあります。
初心者でもHYROXに出場できる?
ここまで読むと、
「トップアスリートしか出られない大会なのでは?」
と思うかもしれません。
しかしHYROXは、プロだけを対象にした競技ではありません。
公式には大きく、
・Open
・Pro
・Doubles
・Relay
というカテゴリーが用意されています。
Openは一般参加者向け。
Proは、より重い重量を使う経験者向けのカテゴリーです。
Doublesでは2人で参加し、ランニングは一緒に行いながらワークアウトを分担できます。
Relayでは4人で競技を分担します。
「いきなり1人で全部は無理」という人でも参加しやすい仕組みになっているわけです。
もちろん実際に完走するには、しっかりとしたトレーニングが必要でしょう。
それでも、一般のフィットネス愛好家が世界共通のルールでタイムを競えるところがHYROXの特徴です。
HYROX北京大会で何があった?
HYROXが日本でも大きく注目されるきっかけのひとつとなったのが、2026年9月に中国・北京で起きた出来事です。
北京大会は9月10日から13日まで開催されました。
9月12日の女子レースに出場していたオーストラリアのジョアンナ・ヴィエトジクが、競技中に便失禁をともなう体調トラブルに見舞われたと海外メディアが報じています。
我操!HYROX北京站女运动员直接喷屎了!
昨天HYROX比赛中,澳大利亚女选手 Joanna Wietrzyk在进行到一半时忍不住了直接现场喷屎,排泄物顺着腿部流下,她没有退赛,并且拖着💩一路完成了比赛. 并取得了冠军. 在她身后是1000多名选手要从被污染的场地上跑过 pic.twitter.com/UWW3brhlym— 加密小象 (@cryptoxiaoxiang) September 13, 2026
引用元: 加密小象 のX
それでもジョアンナ・ヴィエトジクは競技を続けました。
バーピーブロードジャンプなどのワークアウトもこなし、そのままゴール。
最終的には女子部門で優勝しました。
ただ、この行動についてはネット上でも意見が大きく分かれました。
「最後までやり切った精神力はすごい」
と評価する声がある一方、
「衛生面を考えれば途中で止めるべきだったのでは」
「ほかの参加者への影響は大丈夫だったのか」
といった疑問も出ています。
HYROX側も北京大会についてコメント
今回の件は、ネット上の騒ぎだけでは終わりませんでした。
HYROXは2026年9月14日、北京大会で起きた出来事について声明を出しています。
HYROX側は、医療面や生物学的な汚染に対する手順は用意されていたものの、今回についてはエリート競技と一般参加型イベント向けの対応が交錯し、適用方法があいまいになったという趣旨の説明をしています。
また、寄せられた衛生面への懸念についても正当な意見として受け止め、今回の対応を検証して改善していく方針を示しました。
HYROX Chinaも9月12日の時点で、影響を受けたコースを閉鎖して消毒。
対象となった器具の撤去や、カーペットの交換、会場全体の清掃・消毒を行うと説明しています。
そのため、
「問題なく競技を続けることが認められていた」
と単純に片づけることはできません。
今回の出来事を受けて、今後は同じようなケースが発生した場合のルールや対応が、さらに明確になる可能性もありそうです。
アクシデントが起きても優勝した選手は何者?
今回話題になったジョアンナ・ヴィエトジクは、たまたま参加していた一般選手ではありません。
女子HYROXの世界トップクラスの選手です。
2026年4月にワルシャワで行われた大会では、54分25秒を記録。
女子HYROXの世界記録を樹立しています。
つまり今回の北京大会でも、優勝候補のひとりだったということになります。
レース中のアクシデントだけを見るとかなり衝撃的ですが、
「そんな状況でも勝ってしまった選手は、いったい何者なのか?」
というところまで調べると、ニュースの印象もかなり変わってきます。
今回の出来事とは切り離して考える必要がありますが、ジョアンナ・ヴィエトジクがHYROX界のトップ選手であることは、これまでの実績からも分かります。
HYROXは世界で急成長している
HYROXは、日本ではまだ聞き慣れない人も多い競技かもしれません。
しかし世界では、すでにかなり大きなフィットネスイベントになっています。
ロイターが2026年9月9日に報じたところによると、2025-26シーズンには100を超えるイベントが開催され、参加者は約140万人。
観客も約150万人に達したとされています。
もともとは2017年にドイツ・ハンブルクで始まったフィットネスレースですが、現在では世界各地へと広がっています。
世界中で基本の競技フォーマットが同じというのも大きな特徴です。
日本で出したタイムと、アメリカやヨーロッパの大会で出されたタイムを比べることもできます。
普通のジム通いなら、
「ベンチプレスで何kg上がった」
「5kmを何分で走った」
など、それぞれ違う基準で成果を見ることになります。
HYROXなら共通のコースがあるため、
「自分が世界の参加者の中でどのくらいなのか」
が分かりやすい。
ここも人気が広がっている理由のひとつでしょう。
HYROXは今後さらに日本でも広がる?
今回の北京大会では、思わぬ出来事からHYROXという競技を知った人も少なくないでしょう。
ただ実際に競技内容を見てみると、
走る。
重いものを運ぶ。
押す。
引く。
ジャンプする。
という、かなり分かりやすい運動で構成されています。
専門的な競技経験がなくても、「これはキツそう」と見ただけで分かるところも観戦しやすさにつながっています。
一方で一般参加者向けのカテゴリーもあり、自分自身が挑戦できるのもHYROXのおもしろいところです。
北京大会のアクシデントについては、衛生面や競技続行の判断など、HYROX側が今後整理すべき課題も浮かびました。
しかし競技そのものは世界的に急成長しています。
今回のニュースをきっかけに名前を知ったHYROX。
数年後には、日本でも「知らない人の方が少ないフィットネス競技」になっているかもしれません。
まとめ
HYROXは、1kmのランニングと1つのワークアウトを8回くり返すフィットネスレースです。
合計8kmを走りながら、ソリ押しやローイング、重りを持ったランジなど8種類の運動をこなします。
北京大会では、女子トップ選手のジョアンナ・ヴィエトジクがレース中に体調トラブルに見舞われながらも競技を続け、優勝したことで大きな話題になりました。
一方、衛生面への疑問も相次ぎ、HYROX側は2026年9月14日に今回の対応について検証し、改善していく考えを示しています。
衝撃的なニュースから名前を知った人も多いHYROXですが、世界では2025-26シーズンだけで約140万人が参加するほど成長しています。
ランニングと筋力トレーニングの両方を組み合わせた分かりやすさと過酷さ。
そこに、自分自身も参加できる身近さが加わっていることが、HYROXが世界で支持を広げている理由なのかもしれません。