ミラノ五輪で深田茉莉が金メダルを獲得しました。

その歓喜の瞬間の裏で、ひときわ静かに、しかし確かに存在感を放っていた人物がいます。

佐藤康弘、通称やっさん。

「いったい何者なのか?」

「なぜ、結果を出し続けられるのか?」

そう感じた人は、きっと少なくないはずです。

一人の選手を頂点へ導くだけでも、五輪という舞台は想像以上に険しいもの。

プレッシャー、環境、国の期待。

そのすべてを背負いながら金メダルに届く確率は、ほんのわずかです。

それなのに、彼はそれを国境を越えて実現している。

ここが、どうにも引っかかる。

偶然では説明がつきません。

そこには、意外なキャリアの積み重ねと、独自の育成哲学がありました

派手さはない。

けれど、芯がぶれない。

選手の個性を削らず、むしろ研ぎ澄ませるような指導。

言葉よりも、積み上げた時間で信頼をつくるスタイル。

華やかな表彰台の裏側には、地味で静かな積み重ねがある。

正直に言えば、そこがいちばん痺れるところです。

本記事では、佐藤康弘という人物像をひもときながら、ミラノ五輪で深田茉莉の金メダルを生んだ指導力の核心に迫ります。

感情論ではなく、事実をもとに。

その強さの正体を、一つずつ丁寧に見ていきます。




佐藤康弘(やっさん)って何者?

佐藤康弘(さとう やすひろ)、通称「やっさん」。

2026年2月19日現在、スノーボード界で最も注目を集める日本人コーチの一人です。

1975年生まれ、広島県出身。

1998年から2013年までプロスノーボーダーとして活動し、引退後は指導者の道へ進みました。

選手として空を舞い、次は“育てる側”へ。

この転身が、すべての始まりだったのかもしれません。

佐藤コーチと深田茉莉
引用元:テレビ朝日スポーツ

専門はスロープスタイルとビッグエア。

高難度トリックを武器に戦う“空中系種目”のスペシャリストです。

コンマ数秒のズレが命取りになる世界。

そこで勝つための技術と感覚を、身体で知っている人です。

やっさんの名前が一気に広まったのは、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。

 

教え子の深田茉莉が女子スロープスタイルで金メダルを獲得しました。

しかも深田は初出場での優勝。

冬季の日本女子最年少となる五輪金メダリストという快挙でした。

初舞台で頂点。

物語として出来すぎているほどです。

「佐藤康弘って何者?」

大会直後、こうした検索が急増したのも無理はありません。

さらに特筆すべきは、やっさんが日本だけでなく中国のトップ選手も指導していることです。

蘇翊鳴(スー・イーミン)を2018年から指導。

北京2022ではビッグエア金メダル、スロープスタイル銀メダルを獲得。

深田と佐藤コーチと蘇
引用元:Yahoo!ニュース

そしてミラノ2026ではスロープスタイル金メダル、ビッグエア銅メダルへと導きました。

一人のコーチが、複数の国でメダリストを育てる。

それも、わずか数年で。

正直に言えば、ここがいちばん異質です。

言葉も文化も違う環境で結果を出す。

 

偶然では説明できません。

この実績だけでも、ただ者ではない存在だとわかります。

拠点は埼玉クエスト(埼玉県嵐山町)や小布施クエスト。

自らジャンプ施設を運営・設計し、オフシーズンでもエアバッグを活用して練習できる環境を整えています。

冬を待たずに技を磨く。

雪がなくても、飛ぶ。

徹底した練習量と、再現性の追求。

華やかな金メダルの裏には、驚くほど地道な積み重ねがあります。

拍手が鳴り止んだあとも続いている、静かな努力。

それを可能にする環境と哲学を持つ人物。

それが、佐藤康弘――やっさんなのです。




ミラノ五輪で深田茉莉を金へ導いた指導力とは

ミラノ五輪で深田茉莉が金メダルを獲得しました。

その背景にあったのが、佐藤康弘(やっさん)の指導力です。

深田がやっさんのもとで本格的に練習を始めたのは中学2年生、14歳頃。

当時から素直で、とにかく練習量が群を抜いていたといいます。

「やればやるほど伸びるタイプ」。

そう感じさせる原石だったのかもしれません。

 

引用元:猥褻教導団長 24時間マラソン追跡団員のX

やっさんの指導は、まず基礎の徹底から始まります。

エアバッグを使って同じ技を何度も繰り返す。

感覚に頼るのではなく、成功確率を上げていく。

一発勝負ではなく、「決められる技」に仕上げる。

これが五輪の舞台で強さを発揮する理由です。

 

大舞台では、奇跡よりも再現性がものを言う。

そこを見据えていたわけです。

とはいえ、順風満帆だったわけではありません。

ミラノ五輪直前の合宿では、いわゆる“ケンカ”があったと報じられています。

指導の伝え方と、受け取り方のズレ。

 

ほんのわずかな言葉の違いが、心の距離を生むこともある。

育成とは、そういう繊細な世界です。

実際、深田とは伝え方のすり合わせに約1年かかったといいます。

選手によって響く言葉は違う。

同じアドバイスでも、刺さるタイミングがある。

 

引用元:スキムちゃんのX

やっさんは、そこを妥協しませんでした。

厳しさの裏にあるのは、諦めない姿勢。

結果として、その衝突が精神的な成長につながります。

本番では迷いのない滑りを披露。

初出場とは思えない完成度で、頂点に立ちました。

 

技術だけでは金メダルは取れません。

プレッシャーの中で実力を出し切るメンタル。

そして、自分を信じ切る覚悟。

「殻を破らせる」指導。

これこそが、佐藤康弘の真骨頂です。

深田茉莉の金メダルは偶然ではありません。

準備、練習量、心理面の強化。

すべてを積み重ねた先にあった、必然の結果でした。




やっさん流育成法とチーム・ヤスの全貌

やっさん流育成法の核は、環境づくりにあります。

拠点は埼玉クエストや小布施クエスト。

年間を通してジャンプ練習ができる場所です。

エアバッグ設備を活用し、高難度トリックにも安全に挑戦できる。

転倒のリスクを抑えながら、攻め続けられる環境。

これがどれほど大きいか、想像すると少し震えます。

 

冬だけではありません。

365日、進化。

この“止まらない仕組み”こそが、短期間でメダリストを育てる土台です。

雪を待つのではなく、技を育てる。

発想そのものが、少し違う。

 

引用元:田村藤良のX

そして、もう一つの大きな特徴が「チーム・ヤス」です。

日本代表と中国代表が、同じ環境で練習するスタイル。

深田茉莉、蘇翊鳴、岩渕麗楽らが同じ拠点で腕を磨いています。

ライバルであり、仲間。

隣で成功されると、悔しい。

 

でも、その悔しさが次の挑戦を生む。

静かに火花が散るような空間です。

ミラノ五輪では2月18日、男子スロープスタイル決勝で蘇が金メダル。

続く女子決勝で深田が金メダル。

同日ダブル金という歴史的快挙でした。

 

その舞台裏で、佐藤コーチは日本代表ウエアと中国代表ウエアを着替えながら両選手を鼓舞。

一人のコーチが、二つの国を背負う。

この光景は、なかなか見られるものではありません。

日中両国で大きな反響を呼びました。

「日本人コーチに敬意」。

「スポーツの力を感じた」。

中国メディアやSNSでも称賛の声が広がったといいます。

さらに北京2022では、日本代表3名、中国代表2名をパーソナルコーチとして担当。

国を超えて信頼される存在。

それは肩書きではなく、積み重ねの証です。

 

施設運営、徹底練習、心理アプローチ。

この三位一体がやっさん流。

佐藤康弘(やっさん)は単なる技術コーチではありません。

選手の可能性を設計する、いわばプロデューサーのような存在です。

次はどんな才能を世界へ送り出すのか。

スノーボード界の名伯楽から、しばらく目が離せそうにありません。




まとめ

佐藤康弘(やっさん)は、ミラノ五輪で深田茉莉の金メダルを支えた立役者として一躍注目を集めました。

けれど、その実像は“名コーチ”という一言では、とても語りきれません。

競技経験に裏打ちされた理論

緻密に設計された練習環境

そして何より、選手の心に真正面から向き合う姿勢

これらがバラバラに存在しているのではなく、静かに、しかし確実に重なり合っている。

だからこそ結果へと結びつくのです。

技術だけでもない。

精神論だけでもない。

その両方を、現実的な形に落とし込む力。

ここが、彼の本質なのかもしれません。

国境を越えて信頼を得る存在となった今、その価値はさらに広がっています。

言葉や文化の違いを越えてなお選ばれるという事実。

それ自体が、指導者としての格を物語っています。

佐藤康弘という指導者が、これからどんな才能を開花させるのか。

正直、想像するだけでわくわくします。

スノーボード界の新たな物語は、まだ終わりません。

むしろ、ここからが本番なのかもしれません。

ABOUT ME
to-chan
元介護施設職員、現ブロガー、雨を愛する人 自動車好き、読書、光輝くもの好き 座右の銘:朱に交われば赤くなる 好きな四字熟語:一期一会