消費税0でも価格は下がらない?安藤裕が指摘した問題点とは
食料品の消費税0%が実現すれば、私たちの買い物は本当に安くなるのでしょうか。
国会質疑で安藤裕議員が指摘したのは、「税率が下がる=価格も同じ分だけ下がる」とは限らないという点でした。
さらに、飲食店にとっては仕入税額控除の仕組みにより、かえって負担が増える可能性もあります。
今回は、安藤裕議員の消費税質疑で話題になった問題点をわかりやすく整理します。
安藤裕の消費税質疑が話題に
安藤裕議員の消費税をめぐる国会質疑が、SNSや動画サイトを中心に注目を集めています。
引用元:YouTubeチャンネル 暗黒国会速報
今回の質疑で大きなテーマになったのは、食料品の消費税を0%にした場合、本当に消費者が支払う価格は下がるのかという点です。
物価高が続くなかで、食料品の消費税0%は一見すると家計にやさしい政策に見えます。
スーパーで買う食品や日々の食材が安くなるなら、多くの人にとってありがたい話ですよね。
しかし安藤裕議員は、そこで終わらせませんでした。
「税率通りに価格が下がるとは限らないのではないか」と、政府側に確認したのです。
政府側も、事業者の価格設定は原材料費や人件費、物流費など、さまざまな要素で決まると説明しています。
そのため、消費税率を下げた分だけ必ず価格が下がるとは言い切れないという趣旨の答弁がありました。
ここが、今回の質疑で特に話題になったポイントです。
消費者側から見ると、食品等にかかる消費税が8%(軽減税率)から0%になれば、単純に8%安くなるように感じます。
たしかに、そう期待する人は多いでしょう。
ところが実際の価格は、店側の経営判断や仕入れ価格、競争環境によって変わります。
とくに食品は、天候不順や輸入価格、燃料費、円安などの影響を受けやすい分野です。
そのため、税率が下がっても、同じタイミングで本体価格が上がれば、店頭価格が思ったほど下がらないことも考えられます。
安藤裕議員が問題視したのは、こうした現場の実態を十分に見ないまま、「消費税を0%にすれば物価対策になる」と説明してよいのかという部分でした。
消費税0%という言葉はわかりやすく、インパクトもあります。
しかし、その裏側には事業者の価格転嫁や納税の仕組みがからんでいます。
つまり、単純な減税イメージだけでは理解しきれない問題があるのです。
消費税0でも価格は下がらない理由
消費税0でも価格は下がらない可能性がある理由は、商品価格が税率だけで決まっているわけではないからです。
たとえば、ある食品の価格には、原材料費、加工費、人件費、輸送費、店舗の家賃、光熱費、利益などが含まれています。
消費税はその価格に関係する大きな要素のひとつですが、すべてではありません。
そのため、消費税率が下がったとしても、同時に原材料費や物流費が上がっていれば、事業者は本体価格を上げざるを得ない場合があります。
結果として、税込価格があまり下がらない。
あるいは、ほとんど変わらないというケースも起こり得ます。
安藤裕議員は、まさにこの点を追及しました。
消費者の多くは、「食料品の消費税が0%になるなら今より安くなる」と期待しやすいものです。
現在、食品等には軽減税率として8%が適用されています。
そのため、8%(軽減税率)から0%になるなら、店頭価格もその分下がると考える人は少なくありません。
しかし政府側の答弁でも、税率通りに価格が下がるかどうかは事業者の価格設定によるため、明確には言えないという認識が示されています。
ここで重要なのは、消費税が単にレシートに書かれた税金だけの話ではないということです。
日本の消費税は、事業者が売上にかかる消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引いて納税する仕組みです。
この仕組みは仕入税額控除と呼ばれます。
飲食店や小売店にとっては、仕入れ価格と販売価格の両方が経営に直結します。
そのため、税率変更の影響は単純ではありません。
さらに、食料品の消費税0%については、制度がゼロ税率なのか非課税なのかによっても影響が変わる可能性があります。
ゼロ税率であれば、課税取引として扱われつつ税率が0%になる形です。
一方で、非課税方式になると、仕入れにかかる税額控除の扱いが変わる可能性があります。
この違いは消費者には見えにくいものの、事業者にとってはかなり大きな問題です。
つまり、消費税0%は「税率が下がるから値段も必ず下がる」という単純な話ではありません。
価格を決めるのは、あくまで事業者です。
仕入れコストが上がっている状況では、減税分をすべて店頭価格に反映できないお店もあるでしょう。
安藤裕議員が指摘した問題点は、まさにこの現実とのズレにあります。
政策としてわかりやすく見えても、実際の現場では価格転嫁、仕入れ、納税、利益確保が複雑にからみ合っています。
だからこそ、消費税0%でも価格は下がらない可能性があるという議論が出ているのです。
飲食店に増税負担が出る可能性
安藤裕議員がさらに踏み込んで指摘したのが、食料品の消費税0%によって飲食店に増税負担が出る可能性です。
一見すると、食材の消費税が0%になるなら、飲食店も助かるように思えます。
しかし、消費税の納税額を計算する仕組みを考えると、必ずしもそうとは言い切れません。
飲食店は、料理を提供するときに原則として10%の消費税が関係します。
一方で、食材を仕入れるときには現在、軽減税率の対象となる食品であれば8%の消費税がかかります。
そのため飲食店は、売上にかかる消費税から、仕入れにかかった消費税を差し引いて納税する形になります。
ところが、食料品の消費税が0%になると、仕入れ税額控除の対象額が0になる、または大幅に減る可能性があります。
その場合、売上側の10%は残ったまま、差し引ける仕入税額が減ることになります。
結果として、納税額が増えるケースが出てくるのです。
ここでさらに問題になるのが、飲食店が簡単に値上げできないことです。
食材費、電気代、ガス代、人件費が上がっても、定食やラーメンの価格をすぐに上げれば、お客さんが離れる可能性があります。
とくに中小の飲食店は、大手チェーンのように大量仕入れでコストを抑えることが難しい場合もあります。
そのため、原価上昇分を十分に価格へ転嫁できず、利益を削って営業しているお店も少なくありません。
安藤裕議員は、こうした中小企業や飲食店の厳しい現実を踏まえたうえで、消費税が賃上げや経営を圧迫しているのではないかと問題提起しました。
食料品の消費税0%は、消費者から見るとありがたい政策に見えます。
しかし、飲食店側から見ると、仕入税額控除の対象額が減ることや、価格転嫁の難しさによって、むしろ経営が苦しくなる可能性があります。
もちろん、制度設計によって影響は変わります。
ゼロ税率として扱うのか、非課税にするのか、外食をどう扱うのかによっても、事業者への負担は大きく違ってくるでしょう。
だからこそ、消費税0%の議論では「家計が助かるか」だけでなく、「店側の負担はどうなるのか」も同時に考える必要があります。
安藤裕議員が指摘した問題点は、単なる減税反対ではありません。
消費税0%という聞こえのよい政策の裏で、飲食店や中小企業にしわ寄せがいく可能性を見落としてはいけない。
そうした現場目線の警鐘なのです。
まとめ
食料品の消費税0%は、家計にとって明るい話題に見えます。
しかし実際には、8%(軽減税率)から0%になれば価格も同じだけ下がるとは限りません。
原材料費や人件費、物流費が上がるなかで、事業者の価格設定は単純ではないからです。
さらに飲食店では、仕入税額控除の対象額が減る可能性もあり、負担が軽くなるどころか経営を圧迫するケースも考えられます。
消費税0%という言葉の裏には、消費者には見えにくい仕組みがあります。
安藤裕議員の質疑は、物価対策の効果だけでなく、中小企業や飲食店の現場にどんな影響が出るのかを考えるきっかけになりそうです。