野球で鍛えた**鋼のメンタル**。
漫才で磨き上げた**言葉の切れ味**。
芸歴9年目にして一気に注目を集めたエバース佐々木に、今、多くの視線が集まっています。
その魅力は、かっこいい見た目やセンスのある笑いだけでは語りきれません。
彼を語るうえで欠かせないのが、**揺るがない“芯の強さ”**。
では、それはいったいどこから来ているのか。
さらに、M-1の舞台で垣間見せた、**ちょっと意外な一面**にも注目です。
舞台の上だけじゃない。漫才に人生そのものを懸けた男の物語が、今、**大きなうねり**となって広がり始めています。
エバース佐々木とは何者?
M-1グランプリで話題沸騰中の若手コンビ「エバース」。
そのボケを担当する佐々木隆史さんが、今じわじわと注目を集めています。
SNSでは「かっこいい」「かわいい」といった見た目に関する声が急増。
でも彼の魅力は、そんな表面的なものにとどまりません。
実は彼、ネタ作りのセンス、異色すぎる経歴、そして漫才への本気度で、じわじわとファンの心を掴んでいるんです。
佐々木さんは宮城県出身、32歳。
高校時代は野球に打ち込んでいて、甲子園を本気で目指していたという、異色の“野球エリート”でもあります。
所属していたのは古川学園高校の野球部。
汗と泥にまみれた青春を、バットとグラブと共に駆け抜けてきました。
そんな彼が、漫才の道へ。
2016年にコンビ「エバース」を結成し、ボケ担当でありながらネタ作りはすべて一人で担うという、まさに“職人型”の芸人として知られるようになります。
相方・町田和樹さんとのコンビバランスも見事で、「佐々木が町田を完全にコントロールしている」といった声もSNSでちらほら。
まるで監督とエースのような関係性、という人も。
そして何より注目を集めたのが、2024年のM-1決勝。
初出場ながら見事4位に食い込み、一気に「若手注目株」へと躍り出ました。
このとき披露したネタ「桜の木の下」は、自身の野球コンプレックスを笑いに変えた異色の作品。
「これで一気にファンになった」という声も多く、まさに彼の人生を象徴するような一本でした。
2025年には準決勝を突破し、2年連続の決勝進出を果たします。
X(旧Twitter)では「今年こそ優勝してほしい!」「佐々木の肩は温まってる?」なんてコメントも飛び交うほど。
もう“かっこいい芸人”というだけでは、到底語れません。
過去の挫折も、悩みも、すべてを笑いに変えていく――
それが、佐々木隆史という芸人の本当の姿なのです。
M-1で泣いた本当の理由
2024年のM-1グランプリ、エバースがいよいよ決勝の舞台に立つその前。
実はその裏で、ボケ担当・佐々木隆史さんが「ひとりで号泣していた」というエピソードがあったこと、ご存じでしたか?
「え、芸人なのに? 泣いちゃうの?」と驚く人もいるかもしれません。
でもその涙は、ただの感情の爆発ではありませんでした。
そこには、漫才に人生を懸ける男の“転機”があったんです。
涙がこぼれたのは、準々決勝を目前に控えたある日。
Number Webのインタビューによれば、佐々木さんはタクシーの中でふと感情が込み上げ、堪えきれずに涙を流してしまったそうです。
理由はひとつじゃなかった。
不安、焦り、プレッシャー――
それらが一気に押し寄せた瞬間だったと語られています。
芸歴9年目。
何度も挑戦しては跳ね返され、それでも立ち上がってきたM-1という舞台。
ようやく「今年こそ勝負の年だ」と感じられるところまで来た。
それでも、決勝に進める保証なんてどこにもない。
佐々木さんにとって、M-1は単なる大会ではなかったんです。
「若手芸人のヒエラルキーを決める場」とまで語ったその言葉の裏には、漫才師としての“生き様”をかけた戦いがありました。
しかも、ネタ作りはすべて佐々木さんの担当。
ボケも書く、構成も演出も担う――その重責たるや、想像以上のものだったはずです。
さらに、2024年のネタには確かな自負もありました。
「自分たちが今、一番面白い漫才をしている」
そう確信していたからこそ、結果が出なければすべてが水の泡になる。
「面白いのにウケなかったらどうしよう」
この葛藤こそが、心の奥で彼を追い詰めていたのかもしれません。
芸人だからこそ、泣けるんです。
誰よりも笑いに真剣だからこそ、不安に押し潰されそうにもなる。
「絶対にウケてほしい」
そんな必死な想いが、あの一人泣きの正体だったのではないでしょうか。
その涙は、結果として報われました。
エバースは準々決勝を突破し、勢いそのままに初の決勝進出。
そして披露した「桜の木の下」で、堂々の4位という成績を残しました。
でも佐々木さんにとって、本当に手に入れたかったのは「順位」ではなく、「届いたという実感」だったのかもしれません。
芸人だって泣く。
それは弱さじゃない。むしろ、“笑わせるために泣ける”という強さこそが、本物の芸人の証なのかもしれません。
野球エリートの苦悩と快進撃
「芸人なのに、野球エリート?」
そう思った人もいるかもしれません。
でも実は、エバースの佐々木隆史さんには、甲子園を目指した本気の青春時代があったんです。
佐々木さんは、宮城県の古川学園高校野球部出身。
毎日、厳しい練習に明け暮れる“ガチ野球”の世界で、高校球児として汗を流していました。
野球を本気でやったことがある人ならわかるはずです。
あの独特の規律と空気感。
ただの部活ではなく、そこには「勝負の世界」が確かに存在していました。
しかし、佐々木さんは夢に届くことなく、甲子園の土を踏むことはできませんでした。
その未練と悔しさ――つまり“届かなかった夢”は、のちに彼の漫才に深く影を落とすことになります。
2024年のM-1決勝。
彼が披露したネタ「桜の木の下」は、まさにその野球コンプレックスを題材にした一本でした。
笑いながらも、心に刺さる。
観客の笑顔の裏で、自分の過去と正面から向き合う覚悟がにじみ出ていたんです。
「甲子園に行けなかったことを、ようやく笑えるようになった」
そう語る佐々木さんの思いが詰まったこのネタは、SNSでも大きな反響を呼びました。
「泣ける漫才だった」「リアルすぎて胸が締め付けられた」――
ただの“あるある”ではなく、そこには佐々木隆史の人生そのものがありました。
細部までリアル。
まるで一篇のショートドラマを見ているような緻密な描写。
ネタの終わりに残る余韻は、観る人の胸に静かに残り続けました。
それは、彼が本気で野球に向き合い、そして本気で挫折してきたからこそ描ける世界。
“笑わせるためのネタ”ではなく、自分の人生をそのまま笑いに変えている。
そこにあるのは、覚悟そのものです。
そして2025年、彼らは準決勝を勝ち抜き、2年連続となるM-1決勝進出を果たしました。
「今年こそ優勝を」と期待が高まる中、佐々木さんは静かに、でも確かな自信を持って舞台に向かっているようです。
甲子園には届かなかった。
でも、漫才という“もう一つの甲子園”で、自分のすべてをぶつけ続けている――。
野球と漫才。
全く違うように見えて、実は通じるものがたくさんある世界です。
地道な練習、結果がすべての勝負の世界、一瞬の本番で評価が決まるプレッシャー。
佐々木さんは、ずっとそんな世界を生きてきた人。
だからこそ、今の彼が放つ言葉には、どこか“芯のある強さ”が宿っている。
笑いの中に、過去の苦悩や挫折が垣間見える。
それでもまっすぐ前を向く。
それが、エバース佐々木という芸人の、本当の魅力なのかもしれません。
まとめ
見た目の華やかさや、笑いの技術だけでは測れない――
佐々木隆史という芸人の奥行きは、もっとずっと深いところにあります。
届かなかった夢に正面から向き合い、
その悔しさすら笑いに変える覚悟。
それが、今の快進撃の原動力になっているのかもしれません。
M-1という舞台で流したあの涙は、
過去の挫折を思い出したからか、
それとも、漫才にすべてを懸ける覚悟の証だったのか――
野球と漫才。
ふたつのまったく違う“勝負の世界”を、彼は真っすぐに歩いてきました。
だからこそ、
これから佐々木さんが放つ言葉や表情には、さらに深みが宿っていくはずです。
笑わせながら、どこか胸を打つ。
そんな芸人が今、M-1の舞台に立っているのです。