
国際舞台での発言力がますます注目される今、高市早苗氏の英語力に関する議論が静かに熱を帯びています。
とくに、スピーチに対する印象や、「本当に通訳なしでやっているの?」「発音は大丈夫?」といった声がじわじわと広がる一方で、彼女のスタイルを評価する声も少なくありません。
果たして“下手すぎる”との指摘は的を射ているのか、それとも…。
その実態と背景を、冷静に掘り下げていきます。
高市早苗の英語力は本当に低い?
「高市早苗って英語、実際どうなの?」——最近Xや掲示板などで、そんな声をよく見かけます。
特にIAEA年次総会や国際会議での英語スピーチが注目を集め、「発音が下手」「聞き取りづらい」といった厳しい意見が話題に。
一方で、「通訳なしで話せるのはすごい」「内容はしっかり伝わってきた」と肯定的な意見もあり、まさに賛否が分かれています。
では、高市早苗氏の英語力は本当に「低い」と言えるのでしょうか?
まず知っておきたいのは、高市氏がネイティブ並みの流暢さを目指しているタイプではなく、「実務で使える英語」を重視している点です。
彼女の英語のバックグラウンドを簡単に振り返ると、神戸大学経営学部を卒業後、松下政経塾を経てアメリカ・ワシントンD.C.へ渡り、米連邦議会でスタッフ(立法調査官)として勤務していました。
ここで政策・外交関連の英語を、まさに現場で習得したとされています。
いわば「机上の勉強」ではなく、「現場で磨いた実践型の英語力」。実際に国際会議では、通訳を介さずにスピーチや質疑応答に対応している場面も多く見られます。
とはいえ、ネイティブのような発音や滑らかさがあるかといえば、そうではありません。いわゆる“ジャパニーズイングリッシュ”で、イントネーションやアクセントはやや平坦。
それが原因で「聞き取りにくい」と感じる人も一定数いるようです。
一部では、非公式ながら「TOEICスコアに換算すると700~850点相当」とも言われていますが、公表されたスコアはなく、あくまで中上級レベルとの推測にすぎません。
ただし、英語は「うまい・へた」だけでは評価できない言語でもあります。
大事なのは、「相手に何を伝えられるか」「どれだけ誠意や熱量を持って話せるか」という部分。
高市氏のスピーチには、その点を評価する声も根強いのです。
たとえば、最近の国際会議でのスピーチでは、身振りや視線、抑揚をつけながら話す姿勢が「内容は伝わるし、真剣さが伝わってくる」と好意的に受け取られたケースもあります。
英語教育に携わる専門家からは、「発音の良し悪しで評価するのは時代遅れ。国際政治の場では通訳なしで議論できる時点で立派」といった意見も。
もちろん、「ネイティブっぽくない」「耳障り」という批判が出るのも事実です。
でも、それは政治的な支持・不支持が絡む評価であることも多く、純粋な語学力としての判断とは少しズレているようにも感じられます。
要するに、高市早苗氏の英語力は“下手”と断定するには早計。政治家として「使える英語」を実践しているのは間違いありません。
続いては、実際に「下手すぎる」と言われる理由について、具体的に見ていきましょう。
スピーチが下手すぎると言われる5つの理由
高市早苗さんの英語スピーチに対して、SNSや動画のコメント欄でよく見かけるのが「英語が下手すぎて聞いていられない」という声。
とはいえ、何をもって“下手”と感じるのかは人によって違いますよね。
では、多くの人が「下手」と評価してしまう理由はどこにあるのでしょうか?
ここでは、実際のスピーチを見た人たちの反応や、よく指摘されているポイントをもとに、主な5つの理由を掘り下げてみましょう。
1. 発音のクセが強い
まず多くの人が指摘するのが、「発音のクセ」です。いわゆる“ジャパニーズイングリッシュ”と呼ばれる特徴が強く、例えば「RとLの区別が甘い」「アクセントの位置がおかしい」といった声が多く見られます。
「Hello」が「ヘロー」に、「government」が「ガバメントォ」になるような、いかにも日本人っぽい音。それが「聞きづらさ」や「ネイティブには伝わらないかも」という不安を感じさせてしまうようです。
2. 抑揚がなく平坦
スピーチでは感情や意図を伝えるために、声のトーンや抑揚の使い方がとても重要です。
しかし、高市さんの話し方は「平坦」「感情が伝わりにくい」と感じる人が多いようです。
とくに英語圏では、強調したい単語をしっかりと際立たせるのが一般的。
でも彼女のスピーチは全体的に同じトーンで進んでしまうため、「眠くなる」「何を強調したいのかわからない」と感じられてしまうことも。
3. 話すスピードが遅すぎる
高市さんの英語は、1分あたり100〜120語程度。
これは一般的なネイティブスピーカーの平均スピード(120〜150語/分)に比べて、ややゆっくりしたペースです。
もちろん、スピードが遅いのは「聞き取りやすさ」にもつながるのですが、それが裏目に出ることも。
視聴者の中には「テンポが悪い」「内容が薄く感じる」といった印象を受ける人も多いようです。
4. 表現が硬く、自然な英語に聞こえない
スピーチの内容は決して悪くありません。
むしろ、専門的な語彙や政策的なキーワードを的確に使っているという点では評価されています。
ただ、その表現がやや教科書的・型通りになっているとも言われています。
実際、「I want to express my gratitude to all of you...」のような表現が多く、「ちょっと堅すぎて人間味がない」と感じる人も。
まるでAIが作ったスピーチ原稿を読んでいるかのような印象。少し残念な印象です。
5. 表情や間の取り方に違和感
最後に、言葉以外の“伝え方”の部分。たとえば、視線の使い方や表情、ジェスチャーのタイミングです。
一部では、「スピーチ中の笑顔がわざとらしい」「ニヤニヤしていて不自然」といった声や、「間が不自然でぎこちない」といった違和感を指摘する声も上がっています。
これは言語力の問題というより、プレゼン技術や国際舞台での場慣れの問題かもしれません。
でも、見る人にとっては「下手」という印象につながってしまう要素の一つです。
こうして見ると、「スピーチが下手」と言われる背景には、単に英語力そのものではなく、話し方・見せ方・伝え方といった「印象の部分」が大きく影響していることが分かります。
たとえば、内容が正しくてもトーンや表情がちぐはぐだと「棒読み」と受け取られてしまう。これは政治家に限らず、誰でも経験があるのではないでしょうか?
次の章では、実際に通訳を使わずに行ったスピーチや、英語力に関する世論のリアルな声を深掘りしていきます。
発音・通訳なし演説の実態とは
高市早苗さんの英語スピーチには、「通訳なしで話しているのがすごい」という驚きの声と、「むしろ下手なのに通訳を使わないのは逆効果」といった辛口の反応が、常にセットでついて回ります。
特にSNSでは、発音やイントネーションをネタにされたり、一方で「堂々とした姿勢がいい」と評価されたり、まさに評価が真っ二つ。
では、実際に高市氏が行った通訳なしのスピーチとは、どのような場面だったのか。現場での様子や世間の反応を元に、その“実態”を見ていきましょう。
IAEA年次総会での即興反論
まず注目されたのは、2023年9月のIAEA(国際原子力機関)年次総会です。
中国が福島第一原発の処理水放出を非難したのに対し、高市氏は英語で反論。
一部では「原稿外の発言だった」とされ、準備されたスピーチの中にも即興的なアレンジが加えられていた可能性があります。
全体的には準備された原稿に沿って話していたようですが、その中での抑揚や姿勢、単語の選び方が注目を集め、「これは頼もしい」「通訳を挟まず反論するのは評価できる」と好意的な反応が多く見られました。
一方で、「ジャパニーズイングリッシュすぎて聞きづらい」「発音が平坦」といった意見もあり、内容は伝わるが“聞き心地”の面で物足りなさを感じた人もいたようです。
「Japan is back」発言が話題に
次に話題となったのが、2025年9月の自民党総裁選・公開討論会でのワンシーン。
ひろゆき氏から「英語で1分間説明してください」と突然の無茶ぶりを受け、高市氏は一言、「Japan is back!」と切り出しました。
その後は主に日本語で意見を述べていましたが、この「Japan is back」が印象に残ったのか、Xでは一時的にトレンド入り。
「短くても強いメッセージだった」「英語が得意ではないのに、瞬発力がある」とポジティブな反応が目立ちました。
もちろん、「たった一言で乗り切ったのが逆に笑える」「1分って言われたのに全然話してないじゃん」と冷ややかな意見もありましたが、この場面をきっかけに、彼女の“瞬発力と対応力”が再評価されたことは事実です。
“内容重視派”からの厚い支持
英語スピーチというと、どうしても「発音が綺麗か」「ネイティブっぽいか」が注目されがちです。
しかし、高市氏のスピーチに対しては、「中身がしっかりしていれば十分」「発音よりも熱量や伝え方が大切」とする声も多く寄せられています。
特に、外交官経験者や英語教育関係者からは、「通訳なしで国際スピーチできる政治家が少ない中、堂々と話すのは貴重」といった意見も。
また、スピーチに出てくる語彙は専門的で、「原子力」「経済安全保障」などの分野においては、内容が明快で分かりやすいという評価もあります。
批判も根強いが、政治色も強め
もちろん、批判がゼロというわけではありません。
Xでは「ネットリした話し方が苦手」「英検1級の二次試験だったら不合格」といった辛口な投稿も散見されます。
表情の作り方や話すテンポ、声の抑揚が「作られすぎている」「違和感がある」と感じる人も。
とはいえ、その多くが“政治的スタンス”と結びついていることも事実です。
支持者の中では「内容が分かれば問題ない」「そもそも通訳なしで挑んでる時点で評価されるべき」という声が圧倒的。
一方、反対派からは「英語力が足りない」「無理してる感がある」という見方も多く、語学力の評価以上に、政治的な好き嫌いが反映されやすいテーマとなっています。
高市氏のスピーチスタイルは、“完璧な英語”とは言えないかもしれません。
ですが、伝えたいことをしっかり伝え、通訳なしで自ら語るという姿勢は、多くの人に印象を残しているのは間違いありません。
今後、予定されているトランプ氏との会談など、さらに注目の舞台が控える中で、その英語力がどこまで通用するのか。評価が大きく分かれるのも、“実力が注目されている証拠”なのかもしれません。
まとめ
高市早苗氏の英語力に対する評価は、発音や流暢さといった技術面だけでなく、伝える姿勢や政治的スタンスによっても大きく左右されています。
確かにスピーチには改善点も見られますが、通訳なしで国際の場に立ち、自らの言葉で発信する姿は評価に値します。
英語が“うまい・へた”だけで測れないものであることを、あらためて考えさせられる話題ではないでしょうか。





