2025年、千葉ロッテマリーンズからMLBロサンゼルス・ドジャースへと移籍した佐々木朗希のエピソードです。
その入団交渉の裏で、球団のクラブハウスに
「日本式トイレ（温水洗浄便座）」を導入するという異例の出来事が起きました。
ドジャースチームの多様性や選手への配慮、
そして佐々木自身の価値観を象徴するものとなりました。
詳しく解説したいと思います。
きっかけは「日本式トイレはありますか？」
2024年12月、ドジャースと佐々木朗希の初めての面談が行われました。
ちょうどその時期、球団は1億ドル（約150億円）を投じてクラブハウスなどの大規模な改修工事を進めていました。
球団社長のスタン・カステン氏が、進行中の改修プロジェクトについて説明していたところ、
佐々木は「日本式のトイレは設置されるのでしょうか？」と質問します。
この問いは一見冗談のようにも聞こえますが、
佐々木本人は「自分にとってはかなり重要なんです」と語っています。
日本のトイレ文化に慣れ親しんだ佐々木にとって、
温水洗浄便座は日常生活の快適さを大きく左右する要素だったのです。
実際の導入と反響
改修工事の結果、クラブハウスには8基の多機能な日本式トイレが新設されました。
便座が温かく、ビデ機能や自動開閉など、日本では当たり前の機能が搭載されています。
選手たちの間でも「日本にいる気分になった」「とても快適」と好評で、
チーム内のコミュニケーションの話題にもなりました。
一方で、アメリカ人選手の中には「どのボタンがどの機能かわからない」と戸惑う声もあったものの、
全体としては「アップグレードされたクラブハウスの象徴」として歓迎されています。
確かにトイレは人間が毎日行うことであるので人種関係なく快適な方がいいでしょう。
佐々木朗希の心を動かした「誠意」
佐々木は語っていました。
「多少は冗談のつもりだったが、チームが話をしっかり聞いてくれたことが、
ドジャースを選ぶ一因となったことは間違いない」
と認めています。
メジャー移籍の際、複数球団と面談を重ねた佐々木にとって、
球団が自分の小さな要望にも真摯に向き合い、
実際に行動に移す姿勢は大きな安心感と信頼につながったのです。
球団の即断と柔軟な対応
スタン・カステンCEOは佐々木朗希の要望に対し、
「それは素晴らしいアイデアだ。決まりだ」と即答しました。
すでに改修工事がかなり進んでいたにもかかわらず、クラブハウスのバスルームを一部解体し、
配管や電源の追加工事を行って最新の日本式トイレを設置することを決定します。
この対応の裏には、ドジャースが「異なる文化的背景を持つ選手が快適に過ごせる環境づくり」
を重視しているという姿勢があります。
企画開発担当のジャネット・マリー・スミス氏も
「選手たちがより快適に過ごせる手段があるなら、それは実行すべき」
と語っています。
小さなストレスを減らすことで選手のパフォーマンスが上がれば、
Win-Winの関係が築けるでしょう。
文化を越えた「快適さ」へのこだわり
このエピソードは、単なる設備の追加ではなく、
「選手一人ひとりの声に耳を傾ける」という
ドジャースのチーム運営の柔軟さと、異文化を受け入れる懐の深さを象徴しています。
また、佐々木朗希が「快適さ」や「日常の安心感」を重視し、
それを率直に伝えたことで、球団全体の環境改善につながった点も注目すべきでしょう。
まとめ
佐々木朗希がドジャースのクラブハウスに日本式トイレの設置を要望した背景には、
自身の生活の質へのこだわりと、異国の地での不安を少しでも和らげたいという思いがありました。
その要望を即座に受け入れ、実現したドジャースの柔軟な対応は、
チームの多様性と選手ファーストの姿勢を象徴する出来事となりました。
この一連の流れは、今後のグローバルスポーツ界における
「快適な環境づくり」の一つのモデルケースとも言えるでしょう。
