

ジャイアントパンダは日本でも大人気の動物ですが、
実は日本にいるパンダはすべて「中国からのレンタル」であり、
所有権は中国にあります。
近年、神戸市の王子動物園で飼育されていたパンダ
「タンタン」がいなくなり、剥製と骨格標本にして
中国へ返還されることが話題となりました。
剥製にするのに730万円かかりました。
なぜ日本は税金を投入してまで剥製にし、
返還するのでしょうか?
また、世界の他国と比べてどんな違いがあるのでしょうか?
詳しく解説したいと思います。
パンダ返還の国際ルールと中国の所有権
世界中の動物園で飼育されているジャイアントパンダは、
ごく一部の例外を除き、すべて中国政府が所有権を持っています。
日本で生まれたパンダも例外ではなく、
生まれた時点で中国の所有とされ、
一定の年齢になると中国へ返還されるのが国際ルールです。
これは「繁殖研究協力協定」に基づくもので、
パンダの絶滅危惧種としての保護や遺伝子管理を
中国が一元的に行うためです。


中国に所有権のないパンダがいる!
パンダの生息地は中国だけです。
しかし世界には中国に所有権のないパンダが存在していました。
メキシコの「シンシン」と「シュアンシュアン」です。
こちらの2頭は1975年にメキシコにやってきたパンダの子供たちでした。
中国の政策が1980年に転換したのでその前のタイミングだったので、除外されたようです。


ワシントン条約の要請と剥製返還は契約だった!
日本では、パンダが死亡した場合でも中国との契約により返還義務があります。
生体での返還が不可能な場合、
剥製や骨格標本などの形で返還することが中国側と協議のうえ決まります。
これはワシントン条約に基づく
国際希少野生動植物種の厳格な管理の一環であり、
契約違反や国際問題を避けるためにも不可欠な措置です。
今回の王子動物園のケースはこれに該当して、
剥製と骨格標本を作りました。
やはり、生き物なので環境によって状態も変わるから仕方がないところもありますよね。

世界の返還事情と日本の特徴
世界各国でもパンダは中国からの「レンタル」ですが、
返還方法や死後の扱いは国や契約によって異なります。
アメリカやヨーロッパでも返還義務がありますが、
冷凍保存や解剖標本として返還するケースもあります。
日本は当初の契約を守り、
剥製や骨格標本を作成して返還します。
ただ、制作費用が日本負担というのは少し疑問は残ります。
両国で折半という形ではできなかったのでしょうか?
王子動物園だけで負担できる額ではなく、
税金が使われるというのは考えものです。
経済効果と「パンダ外交員」
パンダはその人気から、動物園の入園者増加や関連グッズ、
観光業などに莫大な経済効果をもたらします。
さらに、パンダは「パンダ外交」と呼ばれる
中国の国際親善政策の象徴でもあり、
日中友好や国際交流のシンボルとなっています。
こうしたことから、日本は契約を守り、信頼関係の維持を重視しています。
隣国との友好関係を築くために用いられる唯一無二のものなのですね。
中国=パンダというイメージは強いですから。

世界との違いと今後の展望
世界の多くの国でもパンダは中国からのレンタルであり、
返還義務は共通していますが、
日本は「契約順守」「丁寧な剥製返還」
そして「市民への説明責任」
を重視している点が際立ちます。
特に3つめの市民への説明責任に関しては、
税金を投入するので必要になってきます。
レンタルするということはそれほどリスクがあるということですね。
しかし日本人はパンダが大好きです。
今後も日本は中国との共同研究や国際的なパンダ保護活動に
積極的に関わり続ける可能性があります。
パンダのレンタル代金は1頭辺り年間で約1億円と高額です。
今後はどうなるかわかりません。
まとめ
今回は日本が中国からレンタルしたパンダを剥製にして返還することについて調べてみました。
両国間の国際契約やワシントン条約の遵守、学術研究資源の確保、
経済効果や外交的信頼の維持、
といった多面的な理由によるものです。
世界の他国と比べても、日本の返還方法は特に丁寧で、
国際社会の一員としての責任感が強く表れています。
今後も日本は、パンダを通じて世界とつながり、
絶滅危惧種の保護や国際協力に貢献し続けることでしょう。
パンダが大好きな国民なので!