鴨川メガソーラー計画がついに中止か?FIT失効と違法伐採の全真相!
千葉県鴨川市で進められていた、ある再生可能エネルギー計画が、今、静かに転機を迎えています。
広大な山林を舞台に描かれたこの構想は、かつて一部で注目を集めたものの、地元では長年にわたり疑問や反発の声が絶えませんでした。
そして現在、ある制度の「期限切れ」、さらに「指摘された行為」によって、計画そのものの行方が揺らぎ始めています。
背後には、制度が抱える見落とされがちな盲点や、これまで表に出にくかった構造的な問題が横たわっていました。
本当に問われているのは、いったい何だったのか?
この転機をめぐる一連の動き、その全貌を追っていきます。
鴨川メガソーラーとは何か?
千葉県鴨川市の山林を舞台に進められてきた、大規模な再生可能エネルギー計画。
それが「鴨川メガソーラー」と呼ばれてきた事業です。
わかりやすすぎるソーラーの環境破壊。こんな急傾斜の山稜と山腹を裸にしたら、そりゃ地元民は土砂災害の不安が高まるでしょう。/千葉・鴨川のメガソーラー、工事を一時中止 許可外の森林伐採で - 日本経済新聞 https://t.co/i9SV5YfVNo pic.twitter.com/kx4VOP2LKI
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) October 31, 2025
引用元: 佐々木俊尚 のX
計画の概要を見ていくと、その規模の大きさに驚かされます。
事業区域は約250ヘクタール。
そのうち約146ヘクタールを造成し、太陽光パネルを設置するという内容でした。
国内でも最大級クラスの太陽光発電施設といっていいでしょう。
予定されていた発電出力は約100メガワット(MW)。
数字だけでは分かりにくいかもしれません。
一般家庭およそ3万世帯分の電力をまかなえる規模と聞けば、イメージしやすいのではないでしょうか。
まさに超大型案件として、エネルギー業界でも注目を集めていました。
設置予定だった太陽光パネルの枚数は、約47万枚。
もはや個人の感覚では想像しきれない規模です。
山ひとつを覆い尽くす光景だったといわれています。
事業者はAS鴨川ソーラーパワー合同会社。
2026年1月現在でも、この名称で報道が続いています。
長期間にわたって計画が動いていたことが分かります。
この計画が大きく注目された理由のひとつが、FIT(固定価格買取制度)の存在でした。
同社がFIT認定を取得したのは2014年3月31日。
当時の売電価格は36円/kWh。
現在の水準と比べると、実に4倍以上の高値です。
つまり、事業が本格稼働すれば、非常に高い利益が見込める構造だったということ。
安定した収益が長期間保証される仕組み。
事業者にとっては魅力的な条件がそろっていました。
ただし、その利益の原資はどこから来るのでしょうか。
答えは、私たちが毎月の電気料金で支払っている「再エネ賦課金」です。
国民全体が負担する仕組み。
つまり目に見えない税金のようなものです。
ここに疑問を感じた人も少なくありません。
もうひとつ大きな注目点となったのが、環境への影響です。
開発予定地は急斜面を含む広大な山林。
大規模な造成が行われることで、さまざまな懸念が指摘されてきました。
土砂災害のリスク。
水源への悪影響。
森林の生態系破壊。
いずれも地域の暮らしに直結する問題です。
地元住民や市民団体からは、反対や疑問の声が繰り返し上がっていました。
安全性は本当に確保されるのか。
自然環境への影響は軽視されていないか。
そうした問いが投げかけられていたのです。
もちろん、再生可能エネルギーの推進は重要なテーマです。
脱炭素社会に向けて、太陽光発電が果たす役割は小さくありません。
しかし、それが自然破壊と引き換えに進められるとしたらどうでしょうか。
このプロジェクトは、私たちに重い問いを突きつけてきました。
環境にやさしいとは何か。
持続可能とはどういうことなのか。
考えさせられるテーマです。
釧路湿原メガソーラーと同じ匂いがする…
千葉・鴨川メガソーラー、地元反対6団体が県に工事中止要請 「工事ストップさせたい」(産経新聞) https://t.co/dQgphl5HHv
— 野口健 (@kennoguchi0821) October 29, 2025
引用元: 野口健 のX
そして現在、この計画はFIT認定の失効が正式に確定しています。
高額な売電価格という前提が崩れました。
事業としてのうま味が一気に失われた状況です。
事実上の頓挫といっていいでしょう。
かつては「未来の電源」として華々しく語られていた計画。
その幕は、いま静かに下ろされようとしています。
FIT失効と違法伐採の真相
鴨川メガソーラー計画が、事実上の頓挫へと進む決定打となった出来事。
それがFIT認定の失効でした。
「FITって何?」と感じる方もいるかもしれませんよね。
FITとは、固定価格買取制度(Feed-in Tariff)の略称。
再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定めた価格で一定期間、電力会社が買い取る制度です。
安定した収益が見込めるため、再エネ事業者にとってはまさに生命線ともいえる制度です。
鴨川メガソーラーでは、2014年3月31日にFIT認定を取得。
その売電価格は、1kWhあたり36円でした。
2026年度時点の水準である約8.6円/kWhと比べると、実に4倍以上。
破格としか言いようのない条件だったのです。
野口健さん鴨川メガソーラー視察 - 県は工事中止の指導、千葉https://t.co/YZhC8chaS4
— 共同通信公式 (@kyodo_official) October 30, 2025
引用元:共同通信公式X
つまり、このFIT認定を維持できるかどうか。
それが事業の収支を根底から左右する、最大のカギだったといえるでしょう。
計画の成否を分ける核心部分。
ただし、FIT制度には明確なルールがあります。
認定を受けたあと、定められた期限までに運転を開始しなければならない仕組み。
期限を過ぎれば、認定は自動的に失効します。
鴨川メガソーラーに課されていた運転開始期限は、2023年3月末。
しかし、この期日を過ぎても稼働には至りませんでした。
延長申請は行われたものの、必要な条件を満たしていなかったとみられています。
そして2026年1月9日。
資源エネルギー庁がFIT認定の失効を確認し、千葉県へ通知。
同日、熊谷俊人知事が会見で公表しました。
メガソーラー神話が崩壊へ!千葉・鴨川のメガソーラー計画が、国のFIT認定失効により大きな転換点を迎えています。FITとは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度のことで、国のお墨付きが消滅したことで、計画の中止や見直しが現実味を帯びてきました。…
— Blackoo! (@BallWizardry) January 9, 2026
引用元:Blackoo!のX
つまり、形式上の発表は2026年ですが。
実際には2023年4月1日の時点で、すでにFIT認定は失効していたということ。
この事実に、ネット上ではさまざまな反応が広がりました。
「やっと取り消されたか」という声。
「森林破壊に天罰だ」という辛辣な意見。
一方で、「なぜ失効処理に2年もかかったのか」と、制度運用の遅さを疑問視する声も噴出しています。
しかし、問題はFIT失効だけでは終わりませんでした。
さらに深刻な事態が明らかになったのです。
それが違法伐採。
2025年、千葉県の調査によって事実が判明しました。
開発許可を得ていない区域で、約2.4ヘクタール。
しかも13カ所にわたって森林が伐採されていたのです。
これは、森林法に明確に違反する行為。
県は直ちに工事の一時中止を求める行政指導を実施しました。
さらに、伐採された森林の原状回復命令も出されています。
この違法伐採、「知らなかった」では済まされません。
山林開発は、地形や水源、土砂災害リスクと直結する行為。
だからこそ、慎重で厳密な手続きが求められるのは当然です。
実際、地元では不安の声が相次いでいました。
「水が濁った」という指摘。
「山が崩れるのではないか」という恐怖。
住民による反対運動も、次第に活発化していったのです。
高額な売電権利を守るために、無理な開発を強行したのではないか。
そんな疑念が広がるのも、無理はないでしょう。
この時点で、事業への信頼は完全に揺らいでしまいました。
FIT認定の失効。
違法伐採の発覚。
行政指導という現実。
これらが複雑に絡み合い、鴨川メガソーラー計画は今。
もはや後戻りできない、抜き差しならない局面に追い込まれています。
計画中止の可能性と今後は?
では、鴨川メガソーラー計画はこのまま中止になるのでしょうか。
多くの人が、いま最も気になっている点かもしれません。
結論から言えば、事業の継続は極めて困難な状況にあります。
最大の理由は、これまで前提とされてきた「高額売電モデル」そのものが成立しなくなったこと。
ここが致命的です。
この計画は、FIT制度によって36円/kWhという非常に高い売電価格が保証されていました。
しかし、2023年3月末の運転開始期限を超過。
そして2026年1月、FIT認定の失効が正式に確認されました。
これにより、36円での売電は完全に不可能となったのです。
現在のFIT価格は、2026年度基準でおよそ8.6円/kWh。
単純計算でも、売電単価は4分の1以下。
この差が、事業収支に与える影響は決定的といえるでしょう。
仮にあらためてFITを申請したとしても。
かつて想定されていたような利益は、もはや期待できません。
採算性の前提が根本から崩れた状態。
さらに追い打ちをかけるのが、国のエネルギー政策の方向性です。
政府は、2027年度以降、メガソーラーへの上乗せ支援を廃止する方針を示しています。
特に山林を切り開く大規模造成型の太陽光発電は、今後ますます厳しい立場に置かれると見られています。
経済性の問題だけではありません。
地元住民や市民団体からの強い反対も、いまだ続いています。
「鴨川の山と川と海を守る会」をはじめとする団体は。
計画の見直し、そして中止を求め、長年にわたり声を上げてきました。
違法伐採や自然破壊の問題が重なったことで、事業者への信頼は失墜。
現在では、ほぼゼロに近い状態といっても過言ではありません。
こうした背景から、今後の焦点は事業者がどう動くのかに移っています。
現在、千葉県は事業者に対し。
事業継続の意思や資金計画などの提出を要請しています。
いわば、「回答待ち」の状態です。
一部では、「このまま撤退するのではないか」という見方も広がっています。
FIT失効によって、事業の魅力は大きく低下。
事業を続けるインセンティブが著しく弱まっているのが実情です。
そして、地元で特に懸念されているのが。
もし会社が解散した場合、違法伐採地の復旧責任はどうなるのかという問題。
現実的で、切実な不安です。
ただし、完全な放棄がすでに決まったわけではありません。
動きが全く止まっているわけでもないのです。
実際、違法伐採が確認された13カ所、約2.4ヘクタールのうち。
4カ所、約1800平方メートルについては。
すでに千葉県が復旧計画を承認しています。
早ければ、今月中にも撤去作業が始まる見通しとされています。
とはいえ、残るエリアを含め。
復旧がどこまで、どのように進むのかは依然として不透明です。
全体像が見えてくるまでには、まだ時間がかかるでしょう。
このように、今後の展開は事業者の判断に大きく左右されます。
まとめ
かつて大きな期待を背負って始まったエネルギー計画が、いま静かに足元から問い直されています。
制度の“期限”。
自然との向き合い方。
そして、地域の声。
本来であれば、どれも無視できないはずの要素でした。
けれど、計画が走り出す中で、いつの間にかどこか脇に置かれていたのかもしれません。
「進めること」だけが正解ではなかった。
そんな気づきを突きつけられたのが、今回の出来事です。
立ち止まること、見直すこと。
その意味が、むしろ今だからこそ強く浮き彫りになった気がします。
再生可能エネルギーという言葉の重み。
それすらも、いま一度、静かに問い直されているのです。