インティマシー

最近、漫画を題材にした作品の実写ドラマや実写映画化のニュースを目にすることが多い気がします。

そんな中、「先生の白い嘘」という漫画を実写映画化した作品が別の意味で盛り上がっていたので調べてみました。

奈緒が主演した「先生の白い嘘」という作品で主演の奈緒が

「インティマシー・コーディネーターを使いたい」といった意見を

監督が拒否したという報道が全面に出て、監督が会見で頭を下げるという内容でした。

先生の白い嘘
                     引用元:「先生の白い嘘」公式HP

インティマシー・コーディネーターという聞き慣れない単語が先行した印象の作品です。

今回はこの聞き慣れない言葉が先行した理由について調べていきたいと思います。

この言葉、2022年の新語・流行語大賞にノミネートされた言葉ですが、聞きなじみはないですね

俳優さんと監督の間に入ってお互いの意見をすり合わせることが仕事のようです。

なぜ、こんな騒動になったのでしょうか?確認したら色々分かりました。

世界と日本のインティマシー・コーディネーターの現状

インティマシー・コーディネーターという職業ですが、日本では2人しかいない非常に稀な職業のようです。

何をする仕事かと言うと、日本人で資格を持つ浅田智穂によりますと、

「映画やテレビドラマなどの制作現場で、ヌードや性的描写、
または暴力的なシーンを撮る際など俳優の身体や精神の尊厳を守りつつ、
監督の求める描写も尊重し、現場を円滑に進めるサポートをする職業のようです。」

俳優も生身の人間ですから、作り物とは言ってもその世界に入り込んでしまうと、

感情が起伏が激しくなり、どうなるかはわからないところもありますよね。

監督も自分が撮影したい画が俳優の思いや動きやと違うと、

やはり納得がいかないものになるといい作品にはならないと思います。

この仕事はそういった作品作りを円滑に行うための大事なつなぎ役の仕事ですが、

俳優の精神状態の安心安全のために必要とされるとても大切な仕事です。

日本では最近採用される現場があるようですが、調べた限り俳優側が情報を仕入れて現場で採用してもらう。

といった形が多いような印象を受けます。

アメリカでは40年以上前から導入されていました。

例を上げると

1980年制作の「シャイニング」という作品の主演ジャック・ニコルソンが

子役の俳優に斧を振りかざして殺害しようとするシーンの撮影がありました。

その撮影でジャックと子役が直接絡むシーン以外は全部別撮りという配慮、

そして顔を合わせないよう楽屋も距離を取り離していたようです。

また、できた作品は子役が20歳になるまで見せてはいけない、

という徹底した措置が取られていました。

制作側がトラウマになる可能性がある」と判断しての対応だったようです。

さすが映画大国アメリカですね。俳優のその後の人生まで考えているとはあっぱれです。

インティマシー・コーディネーターの主な仕事

先ほども書きましたが、監督と俳優のつなぎ役を担うこの仕事ですが、

映画やドラマの撮影現場で性的なシーンや衣服をまとわないシーン

を演じる俳優の身体や精神の尊厳を守りつつ、監督の求める描写も尊重し、

現場を円滑に進めるサポートをする方たちのことを指します。

例えば、台本に衣服を身に着けないシーンが書かれていたとしたら、

撮影前に監督と俳優の間に入って、俳優がどこまで肌を露出できるかを聞き、

それを監督に伝え、お互いに納得できる着地点へ導くといった間を取り持つ仕事です。

またベッドのシーンなどの絡みをどう撮っていくか、俳優や演出家と細かく打ち合わせ、

安心且つ安全に撮影を進められるように考えて協力する仕事です。

そしてあまり知られていないかもしれませんが、作品の中で大人が子役に暴力を振るうシーンがある場合、

お互い俳優の意見を聞きます。

特に大人の俳優側は感情が入ってアドレナリンが出ると

自分自身でも制御出来なくなる事があるようです。

現場で事故が起こらないように、また子役がトラウマにならないよう

極力配慮をする仕事です。

お兄さん
お兄さん
俳優と監督の意見をすり合わせる大事な職業ですね。

インティマシー・コーディネーターの存在意義

そう考えると日本でインティマシー・コーディネーターの資格を持って活動している人が、

2人しかいない現状というのはいかがなものでしょうか?(2023年現在)

一人は浅田智穂、もう一人は西山ももこの2人

浅田智穂
                    浅田智穂氏 引用元:女の転職Type

西山ももこ
引用元:西山ももこ公式X
お二人とも資格は海外で取得されたようで、日本にはまだ資格を認定するところが無い現状のようです。

それぞれが日本で出来ることをされています。

浅田智穂は資格を取った団体に交渉をし日本版のトレーナープログラムを作ろうとしている途中のようです。

西山ももこは書籍「インティマシー・コーディネーター正義の味方じゃないけれど」を出したり、

SNSで発信したりしています。

これまでの日本の作品はこういった人が間に入らず、俳優と監督との話し合いがあった上で

演出がされていることが多い印象です。

その中で演出として事前打ち合わせしていたものより現場でこっちの方がいいと監督がいった意見が生まれ、

俳優はそれに従う形で撮影されることが慣例になっていると思います。

俳優として本当はやりたくないような内容であっても、

多くの人が関わって一つの作品を作っている中で「できない」「やりたくない」は進行の妨げになります。

俳優一人が我慢すれば丸く収まると考えてしまうこともあると思います。

監督と俳優の力関係でいくと、監督が絶対的な権限を持っている印象を受けます。

特に小さい頃に部活をしていた時に「監督の指示は絶対で、逆らうことをしてはいけない。」

というような教えで育ってきていると同じ「監督」という言葉なので

無意識に萎縮してしまうところがあります。そういったところもあると思います。

ペンタ
ペンタ
「監督」って、絶対的な存在だよね~

まとめ

今回インティマシー・コーディネーターの存在が今の日本映像業界に

どういった影響を与えられるのか、考えさせられる出来事が起きていました。

奈緒が主演した「先生の白い嘘」という作品で主演の奈緒が

「インティマシー・コーディネーターを使いたい」といった意見を

監督が拒否したという報道が全面に出て、監督が会見で頭を下げるという内容でした。

今後の日本映画、ドラマの制作現場には衝撃が走ったと思いますので

今回のことを機会にお互い気持ちの通った仕事をしていただければと思いました。