日韓戦が必ず組まれるのはなぜ?

日本だけいつも移動が少ない気がする……」。

そんなファンの囁きを裏付けるように、WBCにはスポーツ大会の常識である『抽選会』が一切存在しません

2026年大会も例外ではなく、対戦相手はすべて開会前に「指定」されているのが現実です。

世界が熱狂する華やかな舞台の裏側で、誰が、何の目的でペンを走らせているのか。

そこには国際公共団体ではない、MLB主導の大会だからこそ許される「独自のルール」が深く根を張っています。

公平性という建前の裏に隠された、興行価値を最大化するための冷徹なロジック。

一度その歪な構造を覗き見れば、今大会の景色がこれまでとは全く違って見えてくるはずです。




WBCに抽選会はない?意外と知らない組み合わせ方法

「さあ、今回のWBCはどの国と同じグループになるかな? 抽選会が楽しみだ!」

……そんなふうにワクワクしながらテレビの前で待機していた方、いませんか?

実はそれ、待てど暮らせど放送されません。

なぜなら、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)には、サッカーのW杯やオリンピックで恒例となっている「公開抽選会」という儀式自体が存在しないからです。

これ、意外と知られていない衝撃の事実ですよね。

「ドロー」がない国際大会の違和感

スポーツのビッグイベントといえば、元選手やレジェンドたちがカプセルの中から国名の書かれた紙を取り出す「ドロー(抽選会)」が醍醐味の一つ。

あの瞬間、「死のグループ」が決まったり、格下相手の「ラッキーな組」が決まったりして、世界中が熱狂します。

しかし、WBCの組み合わせはいつも「いつの間にか決まって、公式サイトにひっそり(あるいは堂々と)掲載されている」というスタイル。

2006年の第1回大会から、現在開催中の2026年大会に至るまで、一度も抽選は行われていません。

「じゃあ、誰がどうやって決めているの?」という疑問が湧きますよね。

決定権はすべて「WBCI」の手の中に

この大会の対戦相手をすべて決めているのは、主催者であるWBCI(World Baseball Classic Inc.)です。

ここでピンときた方は鋭い。

WBCIとは、MLB(メジャーリーグベースボール)とMLB選手会が共同で立ち上げた組織。

つまり、特定の競技団体ではなく「アメリカのプロ野球組織」が直接、対戦カードを差配しているのです。

例えるなら、「クラスの席替えをくじ引きで決めるのではなく、担任の先生が『授業が盛り上がるように』と独断で名簿を書き換えている」ような状態。

ちょっとドキドキしませんか?

 

引用元:やきうむりのX

読者の皆さんはどう感じますか?

「公平じゃない気がする……」

「でも、面白いカードが見られるならアリかも?」

そんなふうに意見が分かれるところだと思います。

しかし、この「抽選なし」というシステムこそが、WBCという大会をここまで巨大なビジネスに成長させた最大のスパイスでもあるのです。

「なぜ、わざわざ不公平と言われかねない方法をとるのか?」

そのドロドロとした(?)大人の事情と、緻密に計算された興行の実態について、次の中見出しで詳しく切り込んでいきましょう。




なぜ抽選なし?WBCIが独断で決める「興行」の実態

さて、ここからがいよいよ本題です。

スポーツの祭典なのに「抽選がない」なんて、公平性を重んじるスポーツマンシップからすると、少しモヤモヤしますよね。

でも、そこには「WBCという大会の正体」が深く関わっています。

オリンピックとは違う「プライベートな大会」

まず理解しておきたいのは、WBCがFIFA(サッカーW杯)やIOC(五輪)のような、公的な国際団体が主催する大会ではないということです。

この大会を運営しているのは、アメリカのメジャーリーグ(MLB)とその選手会。

つまり、極端な言い方をすれば「MLBによる、MLBのための、巨大なプロ野球ビジネス」なのです。

公共の利益よりも「いかに稼ぐか」「いかに視聴率を稼ぐか」が優先されるのは、ビジネスの視点からすれば、ある意味で当然のこと。

赤字を出して大会が潰れてしまっては元も子もありませんからね。

抽選をしない「3つの大人の事情」

では、具体的に「抽選なし」にすることで、主催者はどんなメリットを得ているのでしょうか? 主な理由は以下の3つです。

「死のグループ」を回避して強豪を守る

もしガチの抽選を行って、1次ラウンドで「日本・アメリカ・ドミニカ・韓国」が同じ組になったらどうなるでしょう?

優勝候補の半分が、大会の序盤で消えてしまいます。

これはチケット販売や放送権の観点からすると、大損害。

強豪国が決勝トーナメントまで生き残れるよう、あらかじめ「配置」されているわけです。

「宿命の対決」を確実にプロデュース

ファンが一番盛り上がるのは、やはり因縁の対決です。

例えば「日韓戦」が挙げられます。

抽選に任せていたら、このドル箱カードが実現しない年が出てくるかもしれません。

WBCIは、視聴率が確実にとれるカードを意図的に組み込むことで、スポンサーを喜ばせています。

開催地(東京ドーム)の集客を最大化

日本での開催には、読売新聞社などの巨大メディアが深く関わっています。

高い放送権料を払う以上、「日本代表の試合がゴールデンタイムに放送できない」なんて事態は許されません。

日本が東京プールに配置され、さらに戦いやすい相手(失礼!)が選ばれるのは、興行を成功させるための「演出」とも言えるのです。

引用元:Hong Rang2/홍랑이のX

これって「やらせ」なの?

「そんなの出来レースじゃないか!」と感じる方もいるかもしれません。

ですが、これは「やらせ」というよりは「プロフェッショナルなマネジメント」。

世界中の野球ファンが最も見たいシーンを、偶然に任せるのではなく、プロの目線で確実に作り出す。

いわば、最高に盛り上がる「台本のないドラマ」の舞台を、あらかじめ整えてくれているという見方もできます。

「でも、アメリカに有利すぎるんじゃない?」

「日本はずっと東京で試合ができるけど、これってズルくない?」

そんな風に感じたあなた、正解です!

次の章では、その「不平等」と言われる部分をさらにディープに深掘りしていきましょう。




決め方に隠されたMLBの思惑を深掘り

「日本はいつも1次ラウンドの相手に恵まれている気がする……」

ネットの掲示板やSNSで、時折そんな声を目にすることはありませんか?

実際、今回の2026年大会の組み合わせを改めて見てみると、その「意図」が透けて見えてくるんです。

2026年「東京プール」の顔ぶれを見ると……

日本が入っているプールC(東京ドーム開催)の対戦相手を見てみましょう。

  • 日本、オーストラリア、韓国、チェコ、チャイニーズ・タイペイ

強豪の韓国はいますが、近年の国際大会の実績で見れば、日本が勝ち上がる確率はかなり高い「手堅い」グループと言えます。

一方、マイアミのプールDを見てください。ベネズエラ、ドミニカ共和国という、メジャーのスター軍団がひしめく「サメの群れに放り込まれたような激戦区」です。

この差、単なる偶然でしょうか?

いえ、これこそがWBCIによる「確信犯的」なマネジメントの結果なのです。

なぜ「日本有利」な配置になるのか?

理由は至ってシンプル。「日本市場がWBCを支える最大の財布」だからです。

日本でのWBC人気は世界的に見ても異常なほど高く、視聴率もグッズ売上も桁違い。

もし日本が1次ラウンドでサクッと敗退してしまったら、大会全体の収益はガタ落ちしてしまいます。

また、日本の放送局(読売新聞社など)との強力なタッグにより、

日本戦をゴールデンタイムに固定して、確実に高視聴率を叩き出す」というスキームが出来上がっています。

そのためには、日本が勝ち上がりやすい、かつアジア圏で盛り上がる(日韓戦など)組み合わせにするのが、ビジネス上は「正解」なのです。

抽選導入は今後もありえない?

不透明だ」「アメリカが有利すぎる」といった批判の声は、海外の野球ファンからも根強くあります。

ですが、野球というスポーツの競技人口が世界的にまだ偏っている現状では、完全なランダム抽選は「試合の質の低下」を招くリスクがあります。

もし抽選の結果、一つのグループに格下ばかりが集まり、別のグループが超激戦区になってしまったら?

大会全体の興行価値が下がり、最悪の場合、大会の存続すら危うくなるかもしれません。

 

引用元:名は『バ』。スポーツ視聴率研究。特に世代別(サッカーと野球)のX



まとめ

これは「最高に面白い舞台」を作るための必要悪である。

WBCは、私たちが慣れ親しんだ「公平なスポーツ大会」であると同時に、世界に野球を売り込むための「超巨大なプロモーションイベント」でもあります。

抽選なしで対戦相手を決める実態は、ファンからすれば少し寂しい気もしますが、そのおかげで私たちは「絶対に盛り上がる最高峰のカード」を特等席で楽しめているという側面もあるのです。

「仕組みは分かった。でも、やっぱりガチンコの抽選が見てみたい!」

そんなファンの熱い思いが、いつかWBCIを動かして、新しい大会の形を作る日が来るのか……。

2026年大会の熱狂の中で、そんな裏側に思いを馳せてみるのも、通な楽しみ方かもしれませんね。

 

ABOUT ME
to-chan
元介護施設職員、現ブロガー、雨を愛する人 自動車好き、読書、光輝くもの好き 座右の銘:朱に交われば赤くなる 好きな四字熟語:一期一会