アメリカがベネズエラを攻撃した理由は?麻薬と石油の裏にあった3つの狙い!
アメリカが突如、ベネズエラに軍事介入し、マドゥロ大統領夫妻を拘束しました。
この衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、2026年の年明け早々のことでした。
驚きと動揺が、瞬く間に世界を駆け巡ります。
誰もが目を疑いました。「なぜ今、ベネズエラなのか?」
表向きには「麻薬対策」とされています。
しかし、それだけで納得できる人はそう多くないはずです。
疑問はむしろ、そこから始まるのです。
背後には石油利権、安全保障、地政学的な駆け引き…。
複雑に絡み合った国際政治の“別の顔”が、静かに姿を現し始めています。
この文章では、表に出づらい“もうひとつの狙い”に焦点を当て、
その真意を、ひとつずつひもといていきます。
アメリカがベネズエラを攻撃した背景
2026年1月3日、アメリカが突如ベネズエラに対して大規模な軍事作戦を開始しました。
このニュースは、瞬く間に世界中を駆け巡りました。
とりわけ衝撃的だったのは、ニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレス氏が拘束されたという事実です。
しかも、それを発表したのは、アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏本人でした。
人々の耳目を集めたのは、その会見での一言。
「今後、アメリカがベネズエラを運営する」
……これは、もはや通常の外交や軍事作戦の枠を超えた、異例中の異例の宣言と言っていいでしょう。
ではなぜ、ここまで踏み込む必要があったのでしょうか。
背景には、“麻薬対策”という表向きの説明だけでは読み解けない深い戦略的動機が潜んでいます。
まず公式に掲げられた理由は、麻薬犯罪の撲滅。
マドゥロ大統領は、実は2020年からすでにアメリカで起訴されていました。
その罪状は「麻薬テロリズム」や「コカイン密輸の共謀」など、国家レベルの国際犯罪に関わるものです。
特に問題視されてきたのが、「Cartel de los Soles(太陽のカルテル)」の存在。
これはベネズエラの軍部や政府関係者が深く関与しているとされる麻薬組織。
アメリカはこのカルテルの背後に、マドゥロ政権そのものがあると見なしてきました。
さらにこのカルテルは、メキシコのシナロア・カルテルや南米各地の犯罪ネットワークと連携。
大量のコカインをアメリカに送り込んでいたという疑いも浮上しています。
アメリカ政府は、こうした動きを「国家ぐるみの麻薬テロ行為」と断定しました。
それを自国民への明確な脅威と判断し、軍事介入という手段を選んだのです。
2025年には、マドゥロにかけられた懸賞金も大幅に増額されました。
2020年時点での1500万ドルから、2025年には2500万ドルに引き上げられ、
さらなる増額報道も流れるなど、“重要ターゲット”としての格付けが明確になっていきます。
同じ年には、麻薬密輸船への空爆や封鎖といった軍事行動も強化。
30隻以上の密輸船が撃沈されるなど、すでに作戦の前哨戦は始まっていたとも言える状況でした。
こうした一連の動きの集大成として、2026年の軍事作戦は展開されたわけですが……。
当然ながら、「麻薬戦争」という名目だけでは、すべてを語りきれません。
実際、多くの識者が今回の介入を、1990年のパナマ侵攻と重ね合わせています。
あの時も、アメリカはマヌエル・ノリエガ将軍の身柄を確保するという名目で侵攻を実施。
今回の構図は、それと驚くほど似通っているのです。
ただし、ひとつ決定的に違う点があります。
今回は、個人の逮捕では終わらない。
軍事作戦はベネズエラという国家全体を対象にした介入であり、
その規模も、政治的影響も、パナマの比ではありません。
つまり今回の一件は、ただの“犯罪者の拘束劇”ではないということ。
アメリカが動いた本当の理由は、もっと広く、深く、そして危ういもの。
ではその“裏の狙い”とは何なのか。
次のセクションで、その核心に迫っていきます。
麻薬と石油の裏にあった狙い
「アメリカは本当に“麻薬撲滅”だけを狙っていたのか?」
そう感じた人は、きっと少なくないはずです。
確かに、ベネズエラが麻薬カルテルの拠点になっていたのは事実。
しかし、国家元首を拘束し、さらに“国の運営”まで宣言するほどの話だったのかと問われると、疑問が残ります。
その疑問の先に浮かび上がってくるのが、もうひとつの大きな動機。
石油という存在です。
ベネズエラは、実は世界最大級の石油埋蔵量を誇る国。
埋蔵量で見れば、サウジアラビアやロシアをも上回るとも言われています。
それにもかかわらず、その膨大な資源は長年ほとんど活かされてこなかったのです。
政治の混迷、経済制裁、そしてマドゥロ政権下でのインフラ崩壊。
その結果、油田は眠ったまま、国民は貧困に喘ぐという、にわかには信じがたい状況が続いていました。
そんな中で、アメリカにとってこの状況はどう映ったのでしょうか。
それは危機であると同時に、チャンスでもあったと言えるかもしれません。
トランプ大統領は、今回の作戦後の会見で「石油は二次的な問題」と発言しました。
しかし同時に、「米国企業が中心となってベネズエラの石油産業を立て直す」とも繰り返しています。
この矛盾した言葉の並びに、本音がにじんでいると見る向きは少なくありません。
つまり、表向きは麻薬撲滅を掲げながら、
裏では石油資源の確保こそが“本命”だったのではないかという見方です。
実際、この作戦には複数の狙いが重なっていたと考えられています。
エネルギー主導権の確保。
OPECやロシアの影響力を減らし、より安定した石油供給体制を築くという狙いです。
米国企業の利益拡大。
ベネズエラ市場に再びアクセスし、石油利権を奪還することで、莫大な収益を確保する構図が見えてきます。
さらに、敵対国のアクセス遮断。
中国やロシアが手を伸ばしていた鉱物・石油資源を、アメリカが先に押さえるという戦略です。
こうしたシナリオを成立させるためには、単に政権を崩すだけでは不十分。
その後の体制まで“管理下”に置けることが前提条件となります。
「アメリカがベネズエラを運営する」――。
この前代未聞の発言は、資源をアメリカ主導で扱うための土台作りだった可能性も否定できません。
そもそもマドゥロ政権は、過去にアメリカ企業を国内の石油ビジネスから締め出してきました。
その“追放”は、アメリカ側にとって長年くすぶり続けた問題。
だからこそ今回は、交渉や制裁ではなく、
軍事力による“リセット”に踏み切った――そんな見方も成り立ちます。
もちろん、こうした展開に対して国際社会からの反発は激しいものがあります。
イランやキューバ、中国など、マドゥロ政権と関係の深かった国々は一斉に非難。
「資源の略奪だ」「国際法違反だ」と、アメリカの動きを強く批判しています。
ただ一方で、トランプ政権には国内向けのアピールという側面も見え隠れします。
強硬な外交姿勢を打ち出し、「強いアメリカ」を印象づける狙い。
エネルギー価格の安定、国際的影響力の回復、企業利益の拡大。
それらすべてが連動した、多層的な戦略だったのかもしれません。
そして、石油の影にもうひとつ見逃せない要素があります。
それが、中国・イラン・ロシアといった国々との地政学的対立。
次のセクションでは、アメリカの軍事行動がなぜ“このタイミング”だったのか。
そして、それがどのような対中・対ロ戦略と結びついているのか。
そのもうひとつの核心理由に、踏み込んでいきます。
地政学と3国関与の深い理由
麻薬や石油の問題だけでは、アメリカによるベネズエラ介入の全貌を語りきれません。
実はもう一つ、より根深い“戦略上のリスク”がこの国には存在していました。
地政学的リスクの集中。
アメリカが強く懸念していたのは、中国・イラン・ロシアという3つの敵対国が、
揃ってベネズエラに深く食い込んでいたという事実です。
それぞれが異なる形で影響力を強めており、
アメリカから見れば「中南米に築かれた、潜在的な安全保障上の脅威」でした。
放置すれば、“裏庭”から自国が揺さぶられる可能性さえあったのです。
まずは中国。
経済援助、インフラ整備、鉱物資源開発。
中国は長年にわたって、巨額の投資をベネズエラに注ぎ込んできました。
とくに注目されたのが、リチウム、ニッケル、金などの希少資源へのアクセス権。
これらは軍需やエネルギー分野で不可欠な戦略物資です。
アメリカにとって、こうした資源が中国の手に渡ることは、
供給リスクの拡大と影響力の低下を同時に意味していました。
次にイラン。
この数年でイランは、ベネズエラとの軍事協力を急速に強化しています。
報道によれば、現地にドローン製造工場まで設置したとされました。
その技術は、攻撃型・監視型のいずれにも転用可能。
一部の専門家は、「射程次第ではアメリカ本土に届きかねない」と分析しています。
たとえ今すぐの脅威ではなくとも、
中東の敵対国が西半球に軍事拠点を持つという構図は、
アメリカにとって極めて看過しがたいものでした。
そしてロシア。
ウクライナ侵攻後、国際的に孤立するロシアにとって、
ベネズエラは数少ない“友好国”のひとつです。
マドゥロ政権を支えるため、ロシアは軍事顧問を派遣。
防空システムの提供も行ってきました。
特に注目されたのが、S-300防空ミサイルの配備。
これは、アメリカの空爆や作戦行動に対する強力な障壁となる兵器です。
実質的に、ロシアがこの地に“拒否空間”を構築しようとしていた可能性。
その見方も、決して突飛ではありません。
このように、中国は経済、イランは軍事、ロシアは戦略支援。
異なる役割を担う国々の影響力が、一点に集中していたのです。
しかも、それが同時進行で進んでいました。
アメリカ政府はこれを、単なる「支援関係」ではなく、
危険な温床が南米に形成されつつあると捉えました。
地政学的に見ても、ベネズエラは極めて重要なポジションにあります。
中南米の中心部に位置し、カリブ海にも面する。
この“地の利”を持つ場所が敵対国の足場になること。
それは、アメリカとして絶対に避けたい展開でした。
そして、もうひとつ見逃せないのが2026年というタイミング。
この年は、アメリカの政局にとっても重要な節目でした。
再びトランプ大統領が登場し、
外交の場で「強いアメリカ」を演出したい意図も透けて見えます。
対外的な“勝利”は、国内の支持回復に直結する。
そう考えれば、この軍事行動の背景も理解しやすいのではないでしょうか。
こうして見ていくと、ベネズエラでの軍事作戦は、
単なる“地域のトラブル対応”ではありません。
米中・米イラン・米ロという巨大な対立構図の中に位置する、
ひとつの布石だったと見るのが自然です。
つまり私たちが目にしたのは、ただの国際ニュースではない。
地政学の最前線で、大国の野望が衝突した瞬間だったのかもしれません。
まとめ
アメリカによるベネズエラ攻撃の裏には、単なる“麻薬摘発”ではとても語りきれない、複雑な背景が横たわっていました。
石油という経済的価値の高い戦略資源。
中国・ロシア・イランという地政学の要注意国との絡み。
そして、大統領選を控えたアメリカ国内の政治的タイミング。
それぞれが別々の理由に見えて、実は一本の線で結ばれていたのかもしれません。
表向きの“正義”の影に、どんな力関係が動いていたのか。
それを見誤れば、今後の世界の動きを見通すことも難しくなります。
ベネズエラで起きたことは、一国の問題では終わらない。
世界の構図が、またひとつ静かに書き換えられた瞬間だったのかもしれません。