俳優として注目を集める山本一賢さんが、新潟で始めたのは…なんと**“農業”**。

スクリーンの中の華やかな姿とはまるで違う、土と真っ向から向き合う生活を、彼は選んでいました。

その暮らしの中に垣間見えるのは、今の彼の本音と、未来へ向けた静かなまなざし。

表舞台ではなかなか見せないその姿勢に、不思議と惹きつけられます。

「忙しい」「疲れた」…そんな思いを抱えて日々を過ごす私たちの心にも、じんわりと響いてくるものがあるのかもしれません。

“農業”や“癒しの場”という言葉の奥に隠れているのは、山本さんが本当に大切にしているもの。

彼がその暮らしに込めた、等身大の思いとは何なのか──その答えを探りたくなる話です。




山本一賢の現在と新潟農業生活像

俳優・山本一賢さんの「今」が、静かな注目を集めています。

元プロバスケットボール選手という異色の過去に加え、あの長渕剛さんの付き人として知られた経験も持つ人物です。

現在は俳優として映画の主演を務めながら、新潟で農業にも本気で取り組む二拠点生活を送っています。

俳優と農業という意外な組み合わせ。

「どうしてその選択を?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

 

しかし本人にとっては、それは驚くほど自然な流れの中で選び取った道だったといいます。

大きな転機となったのが、2025年10月31日に公開された映画『火の華』でした。

 

引用元: HIROMI ENDOのX

山本さんが演じたのは、PTSDを抱える元自衛官が花火師として再生していくという、繊細で重みのある役柄です。

役作りの一環として訪れたのが、新潟県でした。

花火を主題にした物語であったことから、実際に現地の花火師のもとで修行を重ね、地域に深く入り込む日々を過ごします。

 

その中で出会ったのが、新潟の自然の豊かさと人のあたたかさでした。

おいしい米や日本酒、海の幸、そして温泉。

数ある魅力の中でも、特に心に残ったのは人と人との距離の近さや、どこか懐かしい安心感だったといいます。

そこから少しずつ、新潟との縁が深まっていきました。

 

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引用元:山本一賢公式Instagram

2025年6月には畑を借り始め、同年9月には一軒家を借りて生活拠点を構える決断をします。

現在は東京と新潟を行き来しながら、25メートルプール大の畑を3面、自ら耕作する生活です。

決してプロの農家というわけではありません。

見よう見まねで土をつくり、無農薬に近い自然に寄り添った農法で野菜と向き合っています。

 

「自分が食べるものを、自分の手でつくりたい」という思い。

そのシンプルな気持ちが、やがて大きな生きがいへと育っていったのです。

土に触れながら心を整える時間。

俳優として表現の世界を突き詰める一方で、自然と向き合い、自分自身を取り戻していく日々だといえるでしょう。

 

そんな山本一賢さんの現在の暮らしには、現代を生きる私たちにとっての「もう一つの選択肢」が映し出されているのかもしれません。




新潟で始めた農業生活がすごい理由

俳優・山本一賢さんが新潟で始めた農業生活

その中身をのぞいてみると、ただの「のんびり田舎暮らし」という言葉では、とても語りきれない奥深さがあります。

まず驚かされるのが、そのスケールの大きさです。

山本さんが管理している畑は、25メートルプールほどの広さが3区画。

しかもそれを、すべて一人で耕し、手入れしているというのですから、並大抵ではありません。

 

農業の経験は、まったくのゼロからのスタート。

地元の人の知恵を借りたり、本やネットを参考にしたりしながら、見よう見まねで始めた農業だったそうです。

それでも、できるだけ自然に近い方法にこだわり、農薬を使わず、土と対話するように野菜と向き合う姿勢には本気度が伝わってきます。

ここまで聞くと、それだけで十分大変そうに感じますよね。

 

引用元:👼🏻ひーしゃんぴろりろりん👼🏻のX

さらに驚かされるのが、これを俳優業と並行して行っているという点です。

モデル、俳優、農家と3足のわらじを履いている方です。

映画の撮影や脚本の仕事が入っていても、時間を見つけては新潟に通い、黙々と畑に向かう。

「どうしてそこまで?」と感じる人も少なくないでしょう。

ですが、本人が語るきっかけはとてもシンプルです。

自分が食べるものを、自分の手でつくりたいという思い

 

しかし、その先に待っていたのは、想像以上に大きな変化でした。

土に触れる時間が、いつの間にか心を整える時間になっていたのです。

自然のリズムに身を委ねることで、心の中のノイズが静かに消えていく感覚。

都会の慌ただしさから一歩離れたその場所は、山本さんにとってのもう一つの居場所になっているように見えます。

 

そして、新潟という土地そのものの魅力も欠かせません。

米や日本酒、魚介、温泉といった豊かな食と自然に、山本さんは心から感動したと語っています。

人との距離が近く、あたたかい人間関係。

そこには、東京とは異なる安心感があったそうです。

 

 

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引用元:山本一賢公式Instagram

さらに、東京から車で約3時間半という距離感も絶妙。

遠すぎず、近すぎないこの立地が、二拠点生活を無理なく続ける支えになっています。

山本さんの農業生活は、ただの趣味でも、スローライフの憧れでもありません。

都会と田舎の間にある、リアルで持続可能なちょうどよさ

それを体現しているのが、彼の新潟での暮らしだと言っていいでしょう。

 

そして見逃せないのが、俳優というクリエイティブな仕事との相性です。

自然に触れ、土をいじる中で得た感覚や気づきが、作品づくりにも影響を与えている様子。

「農業が創作の源泉になっている」という言葉は、決して大げさではありません。

自然と共に生きるという選択

それを理想論ではなく、地に足のついた形で実践しているのが、山本一賢さんなのです。

 

新潟での農業生活は、心と暮らしを支える軸そのもの

では、この暮らしの先に、彼はどんな未来を見つめているのでしょうか。

次回は、山本さんが語った将来的に実現したい、ある構想に迫ります。




山本一賢の将来と農業学校構想

俳優・山本一賢さんが新潟で見つけた生きがいは、決して趣味やスローライフという言葉で片づけられるものではありません。

その先にあったのは、「誰かの心を癒す場をつくりたい」という、静かだけれど揺るぎない想いでした。

2025年11月のインタビューで、山本さんは自身の構想について語っています。

山本一賢
引用元:マイナビ農業

農作業を教える学校をやりたい。

ただし、それは専門的な知識や技術を教え込む農業学校ではありません。

農を通して、心を軽くするような場にしたいというのが、彼の本音です。

 

つまり山本さんが思い描いているのは、訓練や矯正のための場所ではないということ。

心に重さを抱えた人たちが、自然と向き合うことでゆっくりとほどけていく居場所です。

引きこもりや不登校の子どもたちなどを想定し、無理に何かを変えようとするのではなく、ただ土に触れ、作物と向き合う時間を共にする。

そんな、あたたかくて風通しのいい空間をつくりたいと考えているのです。

 

土に触れるという行為には、思っている以上に不思議な力があります。

スコップを持ち、草を抜き、汗をかく。

たったそれだけの動作が、なぜか心の中のざわつきを静かに整えてくれる。

山本さん自身が体感してきた心が整う感覚を、今度は誰かに手渡したい。

そんな気持ちが、言葉の端々から伝わってきます。

 

特に印象的なのは、彼のスタンスです。

それは「教える」のではなく、共に過ごすという姿勢

上から何かを押しつけるのではなく、同じ目線で土に向き合う場所をつくりたいと語っています。

耕す。

感じる。

その繰り返しの中に生まれる余白。

言葉よりも、手の動きや土のにおいが心を解いていく関係性が、この構想の土台になっています。

 

農業には、結果がはっきりと表れます。

世話をすれば芽が出るし、放っておけば草に覆われてしまう。

それでも、失敗したらまた種をまけばいい。

そのやり直せる感覚や、待つという優しさは、心が疲れた人にとって大切なリズムになるはずです。

 

芸能界という、常に結果を求められる世界で生きてきた山本さん。

だからこそ、あえて自然の中に身を置き、人との距離感をゆるやかに取り戻していくことに意味を感じているのかもしれません。

この構想は、まだ始まりの段階です。

具体的な時期や場所は、これから少しずつ形になっていくのでしょう。

 

それでも、実際に畑を耕し、作物と暮らし、心を整えてきた本人が語るからこそ、その言葉には確かな重みとリアルがあります。

表舞台でスポットライトを浴びながら、もう一方で誰かのための心の居場所を耕す。

派手さはありませんが、そこには深さとあたたかさ、そしてこれからの時代に必要な価値が詰まっています。

 

土とともに生きる。

シンプルだけれど力強いその選択は、きっと多くの人に静かな勇気を与えてくれるはずです。




まとめ

肩書きや環境に縛られず、自分の心に正直に生きるという選択。

それは、言葉にすればシンプルだけど、実際にはとても難しいこと。

でも今の山本一賢さんの姿は、それを静かに、しかし力強く体現しているように感じられます。

新潟という場所で、土に触れ、自然とともに暮らす日々。

そこには、**都市の喧騒の中では見つけにくい“本当の豊かさ”**が息づいています。

都市と自然。

仕事と暮らし。

そして、自分と誰かとのつながり。

そのすべてのバランスを、山本さんは自分の手で、丁寧に、少しずつ耕しているのです。

まるで畑の土をならすように、時間をかけて、自分らしいリズムを育てていく。

そんな毎日の先には、きっと今まで見えていなかった新しい風景が、ゆっくりと広がっているのかもしれません。

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to-chan
元介護施設職員、現ブロガー、雨を愛する人 自動車好き、読書、光輝くもの好き 座右の銘:朱に交われば赤くなる 好きな四字熟語:一期一会