山本由伸はなぜMLBで通用する?球速・変化球よりも総合力がエグすぎた!

メジャー移籍当初、山本由伸に対してこんな声がちらほら聞こえてきました。

球速が物足りない」「変化球も派手さがない」。

そんな評価も、今や昔。

2025年現在、彼はドジャースの先発ローテーションのど真ん中。

MLBという巨大な舞台で、確かな存在感を放つ投手になっています。

でも、ちょっと不思議じゃないですか?

メジャーといえば“パワー全開”が当たり前の世界。

そんな中で、派手さ控えめの山本がなぜここまで通用しているのか。

その理由は、数字だけでは測れない強さにありました。

いわば、山本由伸だけが持つ「隠れた武器」です。

派手な三振よりも、淡々と抑える安定感。

驚異的な球速よりも、タイミングを外す間合いの妙。

一見地味に見えて、実は超実戦的なそのピッチング。

今回は、そんな山本由伸の「真の総合力」にフォーカスします。

球速や変化球だけじゃない、本当にすごいところを掘り下げていきましょう。

山本由伸は本当に通用する?

「山本由伸って、MLBで本当にやれてるの?」

そんな疑問、実は今もあちこちで聞かれます。

たしかにメジャーといえば、160km/h超えの剛球がズラリと並ぶ世界。

その中で、山本の平均球速はおよそ153km/h。

速球派としては、ぶっちゃけ“突出してる”とは言えません。

 

さらにネット上では、「変化球に意外性がない」「クセが少なくて打者に見極められやすい」といった声もチラホラ。

でも――その印象、実際の成績とは真逆なんです。

2025年、MLB2年目の山本由伸は12勝8敗。

防御率2.49、WHIP0.99という圧巻の数字を叩き出しました。

サイ・ヤング賞の候補にまで名を連ね、ワールドシリーズ制覇にも大きく貢献。

ドジャース先発陣の中心的存在にまで上り詰めています。

 

もちろん、最初から順風満帆だったわけじゃありません。

2024年の初年度は、ボールの質感、マウンドの傾斜、気候の違い――。

慣れない環境に苦しみ、序盤は打ち込まれる試合も多かった。

でも、そこからが彼の真骨頂。

1年でしっかり順応してみせたんです。

球種を増やし、配球の組み立てを見直し、緻密な修正力で復活。

これは、ただ速い球を投げるだけのピッチャーには真似できない芸当。

 

特筆すべきは、どの球種も同じフォームで投げること。

これが相手打者の目を狂わせる。

「何が来るのか全然読めない」と、打者たちは困惑しっぱなし。

データでもその凄さは明らかです。

ストレートの被打率は.210以下。

スプリットの空振り率はなんと37.8%。

さらに、変化球のバレル率は驚異の0.0%。

ほとんどの打者が“まともに当てられていない”んです。

 

ここまでくると、もはや「通用するか?」なんて次元の話ではありません。

すでにMLBでも一流と認められる存在です。

打者側から見れば、「なぜ打てないのか、わからない」――。

そんな声が聞こえてきそうな、不思議な強さ。

結論は明快。

「通用してる? いや、もうトップレベルにいるんですよ」

 

このあと詳しく掘っていくのは、

球速や変化球の派手さじゃ測れない、山本由伸という投手の“本当の強み”です。

 

球速と変化球より総合力!

「山本由伸の球速、MLB基準で見ると大したことないよね」

そんな声、ネットや解説でよく目にします。

実際、彼のフォーシームの平均球速は153km/hほど。

メジャーでは160km/h台を当たり前のように投げる投手がわんさかいるので、数値だけ見れば「速くはない」という印象になるのもわかります。

 

それに加えて、「変化球に意外性がない」「フォームがクセなくて、淡々と投げてるように見える」なんて指摘も。

でもね――その“目立たなさ”の奥に、実はとんでもない凄みが隠れてるんです。

彼の強みは、6種類以上の球種を、まったく同じフォームから投げ分けられること。

打者からすれば、もうこれは見破れないマジック。

 

フォーシーム、スプリット、カーブを軸に、カッター、スライダー、シンカーなども自在に操る。

だから打者は、常に「何が来るかわからない」という情報戦での敗北状態に置かれるわけです。

中でも注目すべきは、やはりスプリット。

直近の登板データで空振り率37.8%という驚異的な数字を記録。

しかもバレル率(強打された打球率)は0.0%。

これ、もうほぼ完封に近い支配力。

 

特にメジャーのパワーヒッターたちは、速球には滅法強い一方で、縦に落ちるボールには意外と脆さを見せがち。

山本のスプリットは、そんな“打者の盲点”を的確に突いてきます。

さらに、カーブもかなり厄介。

約129km/hという遅さで「ふわっ」と落ちてくるその軌道は、速球に目が慣れた打者にとっては急に視界が狂う存在。

NPB時代から「一番打ちにくかったのはあのカーブ」と語る選手も多いんです。

 

それだけじゃありません。

たとえば、フォーシームとカッターの軌道が途中までまったく同じに見える。

でも、最後の最後で微妙に沈んだり、スライドしたり。

結果として、打者のバットは空を切るか、芯を外されて凡打に終わる。

バレない、読めない、当たらない。

 

これを可能にしているのが、山本の極めて安定したフォームと緻密な制球力。

2025年の与四球率は3.1%。

奪三振率から四球率を引いたK-BB%は20.0%で、これはMLBでもトップレベルの数値です。

そして本人もはっきり言っています。

「球速よりも質」と。

 

もちろん、2025年には自己最速の159km/hを記録しています。

でも彼にとって大事なのは、そこじゃない。

「平均して153km/hを維持する体力とコンディション」こそが、真の武器なんです。

1試合だけじゃなく、1シーズンを通して結果を残すために必要なのは“瞬間的な派手さ”じゃなく、“継続できる強さ”。

 

つまり、山本由伸の投球には「ここが武器!」というわかりやすいスペックよりも、

球種、制球、フォーム、タイミングがすべてかみ合った“完成形のスタイル”がある。

まるでジグソーパズルのように、それぞれのピースがピタッとはまり、無駄がない。

そして、その調和こそが山本の最大の魅力=総合力の高さ。

 

MLBでも通用する理由が深い

「球がそこまで速くないのに、なんでこんなに通用してるの?」

山本由伸を見て、そんな疑問を抱いた人も多いのではないでしょうか。

実はその答え、球速や変化球だけでは語りきれない“別の強さ”に隠れています。

 

まず注目したいのが、投球フォームの効率性です。

彼のフォームは、一見すると「腕だけで投げてる?」とすら思えるシンプルな動き。

でもこれが、驚くほど洗練されてるんです。

無駄な力みを排除し、柔らかく体を使うことで、怪我のリスクを抑えながら安定したパフォーマンスを維持できる。

ある種の“機能美”を感じさせるフォーム。

 

ドジャースのレジェンド、クレイトン・カーショウも彼の投球についてこう語っています。

「無駄がなく、美しいフォーム。6球種をあれだけ自在に操れるのは異常だ」――。

一流の目から見ても、山本のフォームは特別だということ。

 

そしてもうひとつ大きな要素が、適応力の高さ。

MLB1年目の2024年、山本はボールの質感、マウンドの傾斜、移動の多さなど、日本との違いに苦しみました。

特に開幕当初は、明らかに「慣れていない」ことが投球に影響していた。

でも、そこからがすごかった。

 

翌2025年には、配球のパターンや球種構成を一気に見直し、試合ごとに戦い方を柔軟に変化させるスタイルを確立。

当初は3球種中心だった投球を、カッターやシンカーなども織り交ぜる多球種型に進化。

相手の打順やクセを読み取って、投球プランを自在に組み替える――。

これはもはや、頭脳派エースと呼ぶにふさわしいスタイルです。

 

そして、忘れてはならないのがメンタルの強さ。

2025年のポストシーズンでは、105球の完投を果たしたわずか数日後、再びマウンドへ。

疲労が色濃く出る状況でも、6回1失点という揺るがぬ安定感を見せました。

あのときの投球には、スタッツ以上に心を打つものがありました。

「勝負どころで崩れない」というのは、数字には現れにくいけれど、本当に一流の選手にだけ備わっている力です。

 

さらに言えば、守備もすごい。

フィールディングの上手さは、投手としては異例のレベル。

バント処理やゴロへの反応速度は、もはや内野手並み。

2025年のワールドシリーズでは、見事なタッチアウトを決めたプレーがSNSでも話題になり、

「守備まで完璧かよ!」という驚きの声が広がりました。

 

こうして見ていくと、山本由伸がメジャーで活躍している理由は明白です。

球が速いとか、変化球がすごいとか、そういう“単発の強み”じゃない。

投球術、フォームの構造、メンタル、適応力、守備力と

あらゆる能力が高水準でかみ合っているから、どんな相手にも崩されない。

要するに、彼の強さは「この武器がすごい」じゃなくて、
全方位で抜け目がないことなんです。

MLBで“通用している”というより通用しない理由が、見当たらない。

まとめ

山本由伸がMLBという最高峰の舞台で、なぜこれほどまでに結果を出し続けられるのか

その背景には、数字だけでは語れない“積み重ねの強さ”があります。

メジャーで目立つのは、派手な球速やえげつない変化球。

けれど山本の武器は、そこではない。

彼が磨き上げてきたのは、精密すぎるほどの制球力

そして、状況に応じて投球を変えられる緻密な配球センス

相手や場面を読んで、迷いなく投げ込める対応力の柔軟さです。

しかも、その強みは“投げる”技術だけにとどまりません。

フォームはとことん合理的で、無駄がないぶん故障リスクも少ない

フィールディングも抜群にうまくて、ちょっとしたバントやゴロにもすぐ反応できる。

そして何より、精神的にブレない

どんな大舞台でも、自分の投球を崩さない心の強さがある。

ここまでくると、もう「技巧派」という言葉では足りません。

ありとあらゆる要素を高水準で整えている投手

その姿からは、奥行きのある強さがじわりとにじみ出ています。

そして、もしかしたら彼の投球には、
まだ私たちが気づいていない“理由”が隠れているのかもしれません。

見れば見るほど、知れば知るほど、深い。
それが、山本由伸というピッチャーなんです。