2025年、ワールドシリーズ制覇という偉業を成し遂げた山本由伸。
その快挙の裏で、本人が「言ってない」はずの言葉が、まるで本物の名言のように広まり続けています。
SNSで“迷言”と話題になり、野球ファンはもちろん、普段スポーツに触れない層までも巻き込んだこの現象。
一体なぜ?そしてどんな言葉が人々の心をつかんでいるのか。今、ネットで静かに熱を帯びる「言ってないのに語録」の世界へ。
山本由伸の“言ってない語録”とは?
メジャーリーグで圧巻の成績を残したドジャースの山本由伸投手。
今、そんな彼にまつわる“あるネット文化”が、静かなブームになっています。
その名も=「言ってない語録」。
聞いたこと、ありますか?
これは、山本選手が実際には言っていないのに、まるで“名言”のようにネット上で流通している言葉たちのこと。
しかも、そのきっかけは、通訳による“盛りすぎ翻訳”だったのです。
たとえば、あるインタビューで山本投手がごく控えめに「負けるわけにはいかない」と語った場面。
これが英訳では、
「There is no option but to win.(勝つ以外に選択肢はない)」
と、妙に強気なトーンに変換され、SNSで「カッコよすぎる!」「これホントに言った!?」とざわつき始めたのが発端でした。
この“訳が盛られすぎてる”現象、実は海外のスポーツ界ではありがち。
ですが、日本人選手特有の慎ましさと翻訳のギャップがあまりに大きかったことで、
「え?これ、本人そんなこと言ってないよね?」と気づいたネット民たちが、ツッコミとともに“語録化”させてしまったわけです。
そして、
「言ってないけど、言いそう」
「むしろこれくらい言ってほしい」
「言ってなくても、結果が伴ってるから名言っぽくなる」
――そんな“絶妙なリアリティライン”がハマって、5chやX、Togetterなどで爆発的に広まりました。
やがて、コラ画像、ネタ打線、Tシャツ、ステッカーなど“言ってない語録”をネタにした二次創作グッズが続々登場。
公式ですら商品化に乗っかってしまうレベルにまで発展しているのです。

ちなみに、話題の通訳・園田芳大さんによる翻訳は、ファンの間で“エクストリーム翻訳”とも呼ばれています。
謙虚な日本語が、彼の手によってビッグマウス系のセリフに変換されていく。
その妙な面白さと、山本選手の実直で無口な人柄とのギャップが、さらなる中毒性を生んでいます。
こうして「言ってないのに語録」は、もはやネットミームを超え、現代的なスポーツカルチャーのひとつとして定着。
選手本人が多くを語らないからこそ、人々は「きっとこう言うに違いない」と、勝手に物語を作り始めるんですね。
では実際に、どんな“言ってない名言”が人気を集めているのか?
次の見出しでは、その“伝説の迷言”たちを一気に紹介していきます。
言ってないのに語録一覧!SNSで話題の迷言集
ではいよいよ本題です。
ここからは、SNS上で爆笑と称賛をさらった“言ってないのに語録”の世界をのぞいてみましょう。
あらかじめ言っておきますが――どれも実際には山本由伸が言っていない言葉です。
なのに、「言ってそう」「むしろ言っててくれ…!」と感じてしまう、絶妙すぎる名言風フレーズたち。
そこに、この語録の真骨頂があるのです。
◆ 「負けるという選択肢はない」
“語録界のパイオニア”。
原文は「負けるわけにはいかない」。それが英訳で「There’s no option to lose」と訳された瞬間、雰囲気が一変。
SNSでは「ラスボスかよ」「悟空みたい」と大盛り上がりし、Tシャツ化の火付け役にもなりました。

(何としても負けるわけにはいかないので)
このフレーズは今後残るかもしれないですね~!
◆ 「ドアはもう施錠されたな」
試合後のコメント「いいピッチングができたと思います」が、なぜか“ロックアウト宣言”に変貌。
「ドアを閉めた=得点の希望を断った」という解釈が厨二心をくすぐりすぎると話題に。
ホラー映画のラスト感すらある、静かなる圧。
◆ 「今夜もブルペンの鍵が飛ぶ」
リリーフ不要の快投劇を語る場面で、「今日は中継ぎに助けてもらいました」という謙虚コメントが、
「鍵を投げた(ブルペン閉鎖)」に変換。
「ドヤ顔で言ってそう」「もう抑える気しかない」とファンも納得の名(迷)言。
◆ 「コール、メモを取っとけよ」
事前の研究と準備を語った発言が、「天才キャラの煽り文句」に変貌。
原文:「しっかり準備して挑みました」→通訳:「He probably took notes, right?」→ネット民:「いやそれ言ってないやろw」
でも、言ってほしい感100%。人気投票があったら間違いなく上位。
◆ 「俺を出すことが最善の選択肢だ」
「任された以上、全力を尽くす」と語ったはずが、「俺が一番だ」的な強気モードに。
これが現実になってしまったのがワールドシリーズMVP。
「言ってないけど、もう言ったことにしよう」のムードに包まれました。
◆ 「点が入らないのはわかっていた」
完封試合のあとの「守備に助けられました」が、
いつのまにか「相手の得点を未来視して封じていた」というマンガ的表現に。
「これ完全に異能バトルのセリフ」と話題になり、中二病的魅力が大爆発。
ブルワーズとのリーグ優勝シリーズ第2戦でポストシーズン日本人初の完投勝利。初回初球被本塁打。だが始まって終わってみれば1失点完投勝利。投球数は111球
そして虹裏Mayとしあき達捏造、山本由伸
言ってない語録(別名怪文書)がガンガン増える……山本由伸「ブルペンのドアは閉めておけ」 pic.twitter.com/3KweiWUrVM
— 何処でも大佐 (@tamtan33) October 15, 2025
引用元:何処でも大佐のX
どれも、言ってない。
なのに、おかしいほど“言ってそう”。
しかも特徴的なのは、誰も傷つけず、笑いと尊敬を両立している点です。
だからこそ、野球ファンだけでなく、普段スポーツに触れない人まで巻き込みながら、文化として定着していったのでしょう。
さて、ここまで見てくると気になってきますよね。
なぜここまで「言ってない語録」が支持されるのか?
次のパートでは、その秘密に迫っていきます。
なぜ人気?迷言が爆笑&拡散される理由
山本由伸の言ってない語録で
日めくりカレンダーをつくってしまったんだよね。 pic.twitter.com/YO02XMdeZS— 浅葱 (@Asagiiro22) November 2, 2025
引用元:浅葱 のX
ここまで紹介してきた“言ってない語録”、実際には山本由伸投手が発言していないにもかかわらず・・・。
「言ってそう」「もう言ってたことにしよう」なんて声がSNSにあふれるほど、大人気となっています。
では、なぜここまで人々を惹きつけるのか?
その理由には、いくつもの“絶妙なツボ”がありました。
◆ ① 静かな男が放つ強すぎる言葉――“ギャップ”の妙
山本由伸といえば、寡黙で淡々としたタイプ。
インタビューでも控えめな発言が多く、派手なコメントをするような選手ではありません。
そんな彼が「俺を出すのが最善の選択肢だ」と言っているように“見える”この現象。
このギャップこそが、多くの人の笑いと興味をくすぐっているのです。
「本当にそう思ってそう」
「いや絶対こんなこと言わなそうw」
この相反するリアクションが同時に成立する面白さ。語録の魔力は、ここにあります。
◆ ② フィクションなのにリアルに刺さる=“実績の説得力”
語録は確かにフィクションです。
でも、それに負けないくらいのリアルな成績が、説得力を持たせてしまっているんです。
2025年のワールドシリーズでの3勝、防御率1.02、WHIP0.79
この圧倒的現実の前では、「これくらい言っててもおかしくない」と感じてしまう。
つまり語録は、事実を超えない範囲で誇張されているからこそ、違和感なく“信じたくなる”。
それが“迷言”ではなく、どこか“納得の名言”として扱われてしまう所以です。
◆ ③ 職人技レベルの“ミーム文化”
この語録がここまで広がった背景には、SNSで広がる“本気のネタ投稿”も一役買っています。
・フォント完全再現のTシャツ
・山本語録で組まれた「迷言打線」
・映画風ポスター風のコラ画像
など、ネタとは思えないほどのクオリティが多数投稿され、
「これ、非公式なのが信じられない」と驚かれるほど。
しかもこれらは、悪意ゼロのリスペクト系ネタ。
だからこそ、野球ファンだけでなく、“野球よくわからない人”も安心して笑えて、拡散しやすい。
◆ ④ 言わずに語る選手だからこそ=“黙ってても伝わる強さ”
山本選手は、何よりもプレーで語る人。
だからこそ、「何も言ってないのに、何か言ってるように見える」。
その“無言のオーラ”が、語録を真実味のあるものにしてしまうのです。
もしこれが、ビッグマウスだけど結果が出てない選手だったら、語録はここまでウケなかったでしょう。
でも山本選手は、静かに、確実に、すべてを抑えてくる。
だからこそ「この語録、言っててもおかしくない」と、皆が納得してしまうのです。
◆ ⑤ SNS時代の“乗っかりたくなるネタ”
最後のポイントは、SNS特有の拡散性と共感力。
語録はどれも短く、強く、どこか中二病っぽい。
だからツッコミや引用もしやすく、「これ、完全に言ってないけど言ってそうw」と乗っかる人が後を絶ちません。
つまりこの現象は、「言ってない」という事実が重要なのではなく、
“言ってないのに名言として成立してしまう”こと自体が、最大のネタになっているのです。
山本由伸 × ファンの遊び心 × SNSの拡散力。
この三拍子が揃ったとき、
ひとつの“語録文化”が爆誕しました。
ただのミームじゃない。
そこには、笑いと愛と尊敬が詰まっている・・・。
それこそが、「言ってないのに語録」がここまで愛される理由なのです。
まとめ
実際には発せられていない。
それなのに、言葉として独り歩きし、人々の記憶に残ってしまう“言ってない語録”。
それが笑いを生み、称賛を集め、気づけば選手本人の魅力すら引き立てているのだから・・・本当に不思議な現象です。
その背景には、山本由伸という選手の“静かな説得力”があります。
多くを語らず、ただ結果で語る。その無言の強さがあるからこそ、人々は「きっとこう言ってるはず」と想像を膨らませてしまう。
そしてその想像に、SNS文化ならではの遊び心と創造力が乗っかる。
「言ってないけど言ってそう」「言ってたらいいのに」という絶妙な“ズレ”の面白さ。
そのバランスが、語録という形で新たな言葉を生み続けているのでしょう。
名言とは、時に“言ったかどうか”ではなく、“言ったことにしたくなるほど心に響くか”。
山本由伸の“語録”は、そんなSNS時代の名言文化を象徴する存在になっています。





