

立憲民主党の野田佳彦代表は「食品の消費税率を1年間ゼロ%にする」という公約を発表しました。
つい先日まで減税はしないと発言していました。
この発表が注目を集めている理由は、2012年の民主党政権時代に遡ります。
当時の消費税率を5%から食品を8%、それ以外を10%へと引き上げる法案を成立させた張本人だからです。
「増税」と「減税」という一見相反する政策を同一人物が掲げることとなった背景には、どのような理由があるのでしょうか。
詳しく調べてみたら意外なことがわかりました。
なぜ今、食品消費税ゼロを掲げたのか?
夏の参院選に向けて、政権与党である自民党に対抗するための明確な対立軸が必要でした。
物価高に苦しむ有権者に対して、具体的な対策を示すことで支持を得たいという政治的な計算が働いたと考えられます。
少数与党、の自民党は野党各党が「今は減税する必要がある!」と訴えている事に対して反発している印象です。
「消費税は安定的な財源です」とか「減税すると新たな財源が必要です」とか言って全く相手にしていませんでした。
一時期、「野党各党が協力して減税をしよう」という発言をしたれいわ新撰組の議員がいました。
その時は、野田代表は増税指示を貫いている状況の印象でした。
しかしここへ来て「気が変わった」とも取られる発言でした。
「変心」ではなく「整合性のある進化」と主張!
野田氏は記者会見で、自身の方針転換が「変心」ではないことを強く主張しました。
「これまでは、今さえよければいいではなく、将来世代をおもんばかる政治ということで、
一体改革を進めたが、今を生きる人たちの暮らしも当然大事だ」と説明しています。
また、「まったく矛盾していない」とも述べ、以下の点を強調しました。
- 時限的措置であること: 食品の消費税率ゼロは1年間の時限措置(経済状況により最大2年まで延長可能)
- 最終目標は給付付き税額控除: 長期的には「給付付き税額控除」制度への移行を目指すという点で政策の一貫性があるとしています
- 財政規律の維持: 「赤字国債にも頼らず、地方財政にも未来世代にも負担を及ぼさないように財源確保を指示した」と表明し、財源問題に配慮する姿勢を示しています。
野田氏はこの決断について「悩んだり、もん絶したり、七転八倒した」と述べており、
過去の主張との整合性を保ちながらも現在の社会経済状況に対応することの難しさを吐露しています。
個人的には手のひらを返したというようにしか思えませんでした。
夏の参議院選挙の対策だと思いました。
野田佳彦代表と消費税増税の歴史
野田佳彦氏は2011年9月から2012年12月まで、民主党政権下で内閣総理大臣を務めました。
この期間に野田氏が推進した最大の政策が「税と社会保障の一体改革」であり、その中心が消費税率引き上げでした。
当時の日本は、少子高齢化による社会保障費の増大と、東日本大震災からの復興という二重の財政負担に直面していました。
野田氏は「将来世代に負担を残さない」という理念のもと、自民党・公明党と三党合意を結び、
消費税率を段階的に引き上げる法案を成立させました。
しかし、この政策判断は民主党内に大きな亀裂をもたらし、小沢一郎氏ら約50人の議員が反対して離党しました。
党の分裂を招き、その後の2012年衆院選で民主党は惨敗して政権を失う一因となりました。
このような経緯から、消費税をめぐる議論は民主党の流れをくむ立憲民主党内では
「トラウマ」「鬼門」と表現されるほど、センシティブな問題となっていたのです。
たった1年の間に増税をするような方針を決めてしまったことが民主党惨敗に繋がったと思います。
本当に実現できるのでしょうか?
今後の課題
今回の公約には課題も多く存在します。
具体的な財源の内容は明示されておらず、政調会長に「財源確保策を検討するよう指示した」段階にとどまっています。
「赤字国債に頼らず」と主張しながら具体的な代替財源を示せないままでは、実現可能性への疑問が残ります。
また、時限措置後の「給付付き税額控除」への移行についても、その制度設計や導入プロセスの詳細は明らかではありません。
消費税をめぐる政策が再び党内分裂を招く可能性も否定できません。
江田議員や原口議員は一貫して減税を訴えていたので、党内分裂もあると思っていました。
元々、民主党政権交代前にも、高速道路を無料化すると言っていました。
政権交代したあと、結局は高速道路料金はETC限定で安くなった時期はありましたが、長くは持続せず今に至っています。
国民に対して「公約」という嘘をついてきているわけです。
今回の公約は本当に実現するものなのでしょうか?
まとめ
今回、立憲民主党の野田佳彦代表は「食品の消費税率を1年間ゼロ%にする」という公約を発表しました。
しかしこの公約は夏の参議院選挙で票を獲得するための実現しない公約ではないかと思いました。
先日まで、減税はしないと公言していた人が、手のひらを返したような発言をはじめました。
具体的な財源確保の計画もないまま、公約を打ち出しました。
今後、具体的な方法や、今までの発言の整合性を図る発言があるのか今後期待して見て行きたいと思います。